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ちょっと、待って!その取引は もしかしてインサイダー???~社会動向から世の中を見る

SANNOエグゼクティブマガジン


ある晩、居酒屋で友人と飲んでいると、隣のテーブルからなにやら気になる話が聞こえてきました。
「○○株式会社というのは、さすがにもう、危ないのでは?」
「そうそう、ここだけの話だけど・・・近いうちに、とうとう倒産の申立てらしいよ・・・」

なになに?ええ~!?
この会社は、自分が株を持っている会社ではないか!!

さあ、こんなとき、あなただったらどうしますか?
持っている株を売りますか?それとも・・・???

1.インサイダー取引とは、そもそもどのような取引なのでしょうか?

インサイダー取引とは、「会社と一定の関係にある者が、未公表の重要事実を知り、その事実が公表される前に株券等の売買等をすること」です。

金融商品取引法(以下、法という)においては、規制対象となるインサイダー取引として、以下の2つをあげています。

① 上場会社等の役員や従業員等を対象とする「会社関係者等のインサイダー取引規制」(法166条)
② 公開買付け(TOB)等に際して、公開買付け等の関係者を対象とする「公開買付者等関係者等のインサイダー取引規制」(法167条)

今回は①を前提に、インサイダー取引の定義をもう少し詳しくみていきましょう。

2.インサイダー取引におけるキーワード

インサイダー取引の規制対象は誰でしょうか?

それは、上場会社等の役職員や取引先等の「会社関係者等」です。

この「会社関係者等」が、その職務等に関し、上場会社等の未公表の「重要事実」を知って、その上場会社等が発行する「特定有価証券等」の「売買等」をすることが、法において禁じられているのです。

さて、ここで注意しなくてはいけないことは、「知って」ということの意味です。

「知って」とは、悪いことと知っているとか、違法だと知っているとか、儲けようとしているということを意味しているわけではありません。

実はインサイダー取引規制においては、取引の結果、利益を得たか否かは問題にしていないのです。すなわち、インサイダー取引規制は、結果の如何にかかわらず、未公表の重要事実を知って株式等の取引をすること自体を禁じているのです。

3.それでは先ほどの、居酒屋のはなしは・・・?

それでは、先ほどの居酒屋の例に戻ってみましょう。

前述の定義からすれば、自分は「会社関係者等」に該当しなさそうなので、売ってしまっても大丈夫かな?と思いますが、さて、いかがでしょうか?

実は、上場会社の役員や従業員、また帳簿閲覧請求権を行使する株主、あるいは取引関係者などの「会社関係者等」(法16 6条1項各号)に該当しない場合、あるいは会社関係者等には該当するものの「職務に関し」知ったとはいえない場合であっても、会社関係者等から未公表の重要事実の伝達を受けた者は、「情報受領者」(法166条3項前段)として、インサイダー取引の規制対象となるのです。

ただこの場合、未公表の重要事実を伝達する側に、情報伝達の意思がなければなりません。

ということは、今回の居酒屋のケースでは、おそらくあなたは「情報受領者」に認定されないであろうと思われます。なぜなら隣のテーブルの人たちは、あなたに未公表の重要事実を伝達しようとする意思でないであろうと考えられるからです。

4.上場会社の役員として注意しなくてはいけないこと

それでは最後に、上場会社の役員として、注意しなくてはいけないことをまとめておきましょう。

上場会社の役員や主要株主(発行会社の総株主の議決権の10%以上を保有する株主)には、インサイダー取引規制(法166 条、167条)に加えて、以下の3つの義務が課されています。

①  【短期売買利益返還義務】
上場会社の役員や主要株主は、正式な手続のもとに上場会社の株式等を売買した場合であっても、6ヶ月以内に反対売買をすることで利益を得た場合には、利益を会社に返還しなくてはならない(法164条)。

②  【売買報告書提出義務】
上場会社の役員や主要株主は、自社の株式等を売買した場合には、翌月15日までに売買に関する報告書を内閣総理大臣に届け出なくてはならない(法163条)。これは、短期売買利益返還義務を実効性あるものとするためである。

③  【内部者カラ売り規制】
上場会社の役員や主要株主は、所有する自社の株式等の額を超えて、いわゆるカラ売りをすることはできない(法165条)。これは、株価が下落するような情報を察知してカラ売りし、一般投資家に株価下落のリスクを転嫁することを禁ずるものである。

これら3つの義務は、上場会社の内部情報を知りやすい立場にあることから課されるものであり、インサイダー取引規制を側面から支える役割を担っています。

◎ポイント

① あなたの勤務している会社やその関係会社が上場会社であるか、また取引先が上場会社である場合には、身近にインサイダー取引の落とし穴があるかもしれません。

② 平成16年の証券取引法(現、金融商品取引法)改正により、従来の刑事罰に加えて、行政上の措置として課徴金制度が導入されました。

③ 違反者をだした会社も、両罰規定によって罰金刑が科される可能性があります。


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