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【事例紹介】全日本空輸株式会社 「スキル・マインド・アクション」の3つをバランスよく身につけた「営業部門のプロ」を育てたい

国内線では最大の路線網を持ち、アジア諸国やヨーロッパ、アメリカ合衆国にも運航しているANA。

2012年3月期の営業利益は過去最高の970億円、経常利益においても過去最高の684億円を達成するなど、堅調な経営を続けている。2012年7月、1,736億円規模の大型増資に踏み切る方針を固めるなど、経営基盤の強化を進めている同社。
全社一丸となっての努力の結果であることはもちろん、同社の営業部門がその成果達成への一翼を担っていることに、疑う余地はない。

その営業部門を支えているのが「営業サポート企画部」である。営業に携わる社員の教育を行う、強力なバックアップ組織として位置づけられる部署だ。
その、営業部門の教育に特化した部署の考える人材教育とは。

    全日本空輸株式会社 プロモーション室 営業サポート企画部 部長  寺井 裕 様

    営業サポート企画部部長として「営業部門のプロ」を指揮する、寺井裕氏に話を聞いた。


    全日本空輸株式会社 会社概要

    営業部門に特化した人材教育を行う「営業サポート企画部」

    他業種の方から見れば「なぜ航空会社に営業がいるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、弊社にも営業担当者がおりまして、企業や官公庁、旅行会社などに足を運んで営業活動を行っております。ほかに、お客様に身近なところでは予約センターも営業部門に属しております。いわゆるセールスサポート(支援スタッフ)もありますが、もっと、広い視野でみたマーケティング部署も含めて弊社では『営業部門』と呼んでいます。 

    その中で、われわれ「営業サポート企画部」の役割は、『営業部門』に所属する約2,500人の社員に対し、教育・訓練を行うことです。もっと正確にいうと教育・業務を効果的にコーディネートしていくということになります。

    業務に必要な訓練を担当しているインストラクターは、私どもの部に所属しているものも数名いますが、ほとんどが、グループ会社を含めたフロントラインで活躍している社員です。フロントラインでの業務は、たとえば、予約業務や航空券の発券などがあります。端末の操作が必須となりますし、国内線・国際線でそれぞれルールも異なります。またホームページを見ればおわかりいただけるように、航空運賃にはさまざまな種類がありますから、それぞれの運賃の違いやしくみなども理解する必要があります。
    それらを正しく理解することは、業務を遂行する上で重要です。こうしたフロントラインの高い専門スキルを身につけた社員を部門として認定し、インストラクター業務訓練にあたってもらっています。私どもはその訓練や研修の企画運営を行っています。

    さらに、こうした業務に直結する知識やスキルだけでなく、内面的な部分 -意識やマインド- についても身につけてもらうことが必要となります。これに実行力を意味するアクションを加えた「スキル・マインド・アクション」の3つをバランスよく備えているのが「営業部門のプロ」であると定義して、その育成に努めています。

    われわれが展開している教育プログラムは、大きく3つに分けられます。

    1.業務訓練(先ほど紹介した業務に必要な知識やスキルを身につけるための実務教育)
    2.営業部門内における社員の経験年数や資格に応じて実施する階層別研修
    3.社員一人ひとりのマインドや能力を高めるための自己啓発

    「スキル・マインド・アクション」のそれぞれを高めてもらう意味で、これら3つを行っています。

    「営業部門のプロを育てる」ためには幅広い知識とスキルが必要

    業務訓練、実務教育関係は自前で行っていますが、自己啓発のセミナーは産能大など外部の機関にお願いをしております。その理由として、社内で数十人をまとめて同じ日、同じ場所に集めてセミナーを実施するのは、個々人の状況も異なる中、難しい部分もあります。
    そこで外部にお願いすることで、日程も場所もたくさんの選択肢が用意できますので、多くの社員のニーズに応えられるというメリットがあります。また、幅広いカテゴリーの中で、さまざまなセミナーを提示できるというのも大きな理由です。

    営業部門の業務を遂行するには幅広いスキルや知識が必要になります。
    たとえばセールスに行った先で、世の中の動きや業界のトレンドなどを取り入れながら雑談ができることも商談の一端になります。他の部門、たとえば客室部門や整備部門などは、どちらかというと自分たちの決められた業務を着実にこなすためのスキルを100%身につけることが求められますが、営業部門というのは、必要なものがきっちりと決められていない代わりに、これを身につければ十分ということもなく、個々のお客様の要望に応じた知識やスキルなどが幅広く求められることになります。
    そのため、本人の今の業務に直接関係があるなしにもかかわらず、われわれは自己啓発の分野においてなるべく幅広いプログラムを提示し、さまざまな分野に興味をもってもらいたいと考えています。

    そして、この自己啓発プログラムの受講は決して必須ではありませんが、「自分を伸ばしたい」という意欲がある人に対しては積極的にサポートしていきたいと考えております。
    「やらされ感」をもって受講させても意味がないと考えていますので、やはり本人のやる気、自発性、モチベーションといった部分が非常に大事になってきます。興味のある分野を学んでもらうためにも、バリエーション豊富なセミナーを提示しています。

    対象となる社員に対して提示するプログラムのセレクトはわれわれの仕事です。
    その基準は、「スキル・マインド・アクション」の3つを軸に12のテーマを設けており(※図表A参照)、それぞれに合ったセミナーを選んでいます。

    産能大にも公開セミナーの提案をしてもらいつつ、また社員のニーズも意識しながらセレクトをしております。

    【図表A】自己啓発プログラムの一例


    自己啓発プログラムの業務別受講者割合では、4割以上がセールスサポート部門が占め、次いでコールセンター、セールス(支店)と続きます(※図表B参照)。
    また、受講者の7割弱が担当業務3年未満の社員で、彼らが率先して受講している状況です。

    【図表B】自己啓発プログラムの業務別 受講者割合 2011年度実績

    必須ではないこうしたプログラムの受講率は約9%です。
    この数字が高いか低いかについては判断が分かれるところですが、今年度は、昨年度よりもテーマ・予算ともに増やしています。せっかくの機会なのでより多くの人に受講していただきたいというのが、われわれの思いです。

    1人ひとりのモチベーションアップとそのための企業風土づくり

    人材教育に重要なポイントは、やはり社員1人ひとりの自主性・自発性だと思います。より多くの人に自主性・自発性をもって自己を高める努力をしていただきたいと考えています。

    そのために、職場でもそれを後押しする風土づくりが重要だと思います。上司と部下とで行われる社内目標設定や面談などの機会を利用して、自己研鑽を勧めるアドバイスをしてもらうよう働きかけています。

    さらに具体的な取り組みとして「人材育成シート」を用意しました。これは半年ごとの育成計画書で、期初に上司と部下で確認し合い、共通認識を持った上で、計画的に研修・教育を受講していくというものです。
    もともとは部門の一部で始めた取り組みですが、今年度から「推奨」という形で部門全体にその対象を広げています。こうしたツールも使って、モチベーションアップのきっかけづくり、風土づくりを進めていければと考えています。

    全日本空輸株式会社 プロモーション室 営業サポート企画部 部長  寺井 裕 様

    近年、航空業界ではLCC(ローコストキャリア=格安航空会社)が話題となっています。それに対して、われわれは対極に位置するフルサービスキャリアです。
    まずは路線を世界中に広げてゆき、サービス品質も上げ、その利便性を高めていくことで差異化を図る必要があります。

    また今後は、少子化が進み国内の市場は縮小傾向となります。航空会社というとグローバル化の進んだ組織と思われがちですが、営業部門は今以上に海外進出 のスピードを上げていかなくてはなりません。そのためには、いつどの国に行ってもすぐに活躍できる人材、広い視野を持ち、さまざまな価値観を受け入れられる人材を育てていきたいと考えています。

      TOEIC受験の推奨はもちろんのこと、今年度は自己啓発プログラムの中でも、グローバル対応の強化を意識したビジネススキルや異文化理解、コミュ二ケーションなどのセミナーを多く取り入れました。

      もうひとつ、営業部門の方針としてマーケティング強化があげられます。LCCのようにwebでの販売のみといった極端な売り方はできませんが、より少ないマンパワーとコストで大きな成果を出すために、マーケティング力を向上させ、的を絞ったセールス展開をしていくことが必要だと考えています。 
      ただ一言でマーケティングといっても分野が広く、営業部門内の各担当業務でも必要なスキル・知識は異なってくると思いますので、たとえば、本部スタッフ向け、支店のセールススタッフ向け、コールセンタースタッフ向けといった職務別に、ニーズに合った教育を実施しています。

      それらが、ひいてはフルサービスキャリアであるANAブランドならではのサービス力強化につながるのではないかと考えています。

      ※本コラムに関しますご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

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