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何故を追求する本質経営のすすめ~社会動向から世の中を見る

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もうひとつの何故を

「組織の意思決定のスピードをさらに上げていかなければならない」。経営層の方々がよく口にする言葉です。確かに、20 年以上も前から経営環境はめまぐるしく変わると認識されるようになって今に至っています。
 
では何故、変化のスピードが速くなってきたのでしょうか。ひとつに、情報技術の進展により通信速度が速まり、インターネットの普及さらにはブロードバンド の拡大へと空間を越えて私達のコミュニケーションの利便性が飛躍的に高まったからです。それによって情報の結びつきの頻度が増し、情報が短時間に多様に変 化するようになりました。もたらされる情報が変化すれば、人は行動を変えようとします。すると、行動変容に伴う意思決定を高い頻度で行わざる得なくなるの です。このような情報技術の進展に関わる背景については、多くの方々が既に認識しており、変化が加速したことの理由として答えていただけます。
 
しかし、これだけでは十分に説明したことにはなりません。コミュニケーションに関わる環境がスピードアップを可能にしたからといって、何故、人は行動を変えようとするのか、どのような欲求がそれを推し進めるのか、についての答えが必要となります。
 
「これからはイノベーションの時代だ、我が組織もイノベーションを喚起しなければならない」。これも昨今、経営層の方々の話の中によく出てくるフレーズで す。では、イノベーションとはどのような事柄なのでしょうか。それは高名な経済学者であるシュンペーターが唱えた、「経済発展をもたらす企業家によってな される“ 新結合”」のことであって、技術のみならず組織や社会などの広い範囲を含んでいます。これも既に多くの方々の知識となっており、答えていただける内容で す。
 
しかし、シュンペーターがイノベーションを唱えてから、既に100 年近くが経とうとしています。何故、今になってイノベーションが叫ばれるのでしょうか。これまではイノベーションとは別のやりかたで経済成長を成し遂げてきたということでしょうか。

本質の構造を見極める

以上たった2つの事柄ですが、何故という問いをひとつ多く深めるだけで、今まで見えて来なかった構造を浮かび上がらせることができます。
 
では、「組織の意思決定のスピードをさらに上げていかなければならない」という話題ですが、もしも仮に、団塊の世代の方々が幼少だった時代に、インターネットやブロードバンドが普及したとしても、さほど組織的意思決定のスピードを上げる必要はなかったでしょう。何故ならば、社会のニーズが別のところにあったからです。当時の大半の家庭には、ラジオと電球以外の電化製品はありませんでした。電気洗濯機も電気冷蔵庫も電機釜も電機掃除機も無い、テレビも無い時代であり、一次産業の就労者が人口の多くを占めたこの時代の欲求は、「体が難儀な作業を少しでも楽にしたい」ことでした。この欲求は人にとっては基本的なものであり、変わりようがありません。
 
その後、先進国から次第にモノ不足が解消し、電化が進み、TVが普及し、電波が家庭やビジネスに入り込むと、人は体を動かす必要が減り、欲求が「もっと心に快適で楽しいこと」へと心理的な側面が強まります。すると、快適さは直ぐに当たり前に変わり、楽しさはじきに飽きてしまいます。「もっと、もっと」の時代が始まったわけです。人の欲求自体がどんどん変化し、高まっていく中で、これに対応する必要が生じたことが「組織の意思決定のスピードをさらに上げていかなければならない」背景にもなっているのです。
 
人の欲求がどんどん高まっていく中で欲求を満たそうとするならば、何か新しい物事を次々に生み出さなければなりません。新しいことを生み出すには、大きく2つのアプローチがあると言ってよいでしょう。先ずは、科学上の発見を技術によって人に役立つモノへと形造るというアプローチです。モノ不足の時代に新しいモノを生み出すには、このアプローチが力を発揮します。ニュートンなどによる力学の成立から、熱の利用、分子・原子の応用による化学の発達、光・レーザーの活用、電気の活用、電磁波や磁気、中性子線の活用に至るまで、科学の進歩が私達の生活に時間を置かずにダイレクトに反映されてきました。しかし、それ以降はやや歩みが遅いようです。原子力の活用では放射能という御しきれないレベルまで活用が進んでしまいました。
 
科学の進歩が少し歩を緩めているならば、どうやって欲求を満たせばよいのでしょうか。それがもう1つのアプローチであり、多くの既存の物事による「新結合」、つまりイノベーションなわけです。それも、モノの科学が次の成長期に入るまでは、心理的な快適さや楽しさなどに関わるイノベーションが主役になってきそうです。
 
このように、「何故」をひとつ深く追求するだけで、「組織の意思決定のスピードをさらに上げていかなければならない」という話と、「これからはイノベーションの時代だ、我が組織もイノベーションを喚起しなければならない」という話は、明確に繋がった構造をもっていることが明らかになるのです。

本質経営に向けて

すると、次にどうしたら良いのかが分かってきます。先程、科学の進歩が少し歩を緩めている、と書きましたが、そうではない分野があります。バイオやゲノム の世界では新しい発見が相次いでいます。確かにゲノムの世界ではイノベーションという言葉は少ないようです。そうしますと、機械、化学、電気、電子の分野 ではイノベーションを、バイオ・ゲノムの世界では科学の進歩を活用し、さらにこれらを組み合わせるならば、大きな進歩が期待できそうです。既に農業分野な どでそのようなことが起こりそうです。
 
このように、「何故」をひとつ深く追求して、本質を突いた経営を目指して欲しいと考えています。今回はたった2つの何故でしたが、より多くの何故を追求して、さらに深く本質を見極めて参りましょう。


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◇何故を追求する本質経営のすすめ: 安達 隆男
◇市場調査は組織強化の一環: 飯塚 登

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