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第 29号 “イノベーションのパターン化戦略(その1)” ( 2008 年 10月)

TRIZ Letter 第 29 号掲載

イノベーションのパターン化戦略(その1)

学校法人産業能率大学 総合研究所教授
TRIZスペシャリスト 澤口 学

1.はじめに
今回は、以前のTRIZレターで紹介した「イノベーションの4タイプ(これ以降は“イノベーションのパターン”と呼称する)」を拡張した「イノベーションの8パターン」を紹介し、この8パターンをベースにした「イノベーションのパターン化戦略」という“ユニークな技術戦略”について紹介することにしたい。

2.イノベーションの8パターンとは
イノベーションの8パターン化は、「イノベーションの2観点(破壊的イノベーションか持続的イノベーションか) 」と「市場の3分類(純粋新市場か自社にとっての新規市場かあるいは既存市場か)」と「技術の2観点(新技術か既存技術か)」の組合せから構成される。
イノベーションパターンを分かりやすく整理する第1段階として、8つのパターンを大きく2系統に分けて、「イノベーションの基本4パターン」と「イノベーションの派生4パターン」に分類している。

(1)イノベーションの基本4パターン
イノベーションの基本4パターンの内の2パターンは、いずれも「破壊的イノベーション」であり、新市場の創造(主に隙間市場)から関連市場の破壊へと向かう最もインパクトの高いパターンである。一方、他の2パターンは、いずれも「持続的イノベーション」であり、既存市場において基本的にハイエンド顧客の要求に応えながら、既存市場で継続的な発展をめざすパターンである。

(2)イノベーションの派生4パターン
イノベーションの派生4パターンの内の2パターンは、いずれも“自社にとっては新市場”でも、“先行企業が存在する既存市場”をターゲットにしている。最初は、先行企業がほとんど興味を示さない“ローエンド”顧客をターゲットにして、相対的ローコストをアピールする戦略で市場の末端に入り込み、性能アップを果たした後に市場の主力層の破壊へと向かう比較的インパクトの高いパターンである。
一方、他の2パターンは、いずれも「持続的イノベーション」であり、既存市場で基本的に主力顧客の要求に応える必要はあるが、“先行企業が存在する市場”において“自社にとっては新市場”という状況を鑑みると、ハイエンド追求で“Ideal Final Result(最終理想解)”を意識すれば済むという単純な図式にはならない。

3.各イノベーションパターンの“起点”としてのイノベーション4
イノベーション4の視点で見た場合、漸進型イノベーション活動を継続した結果、最終的には現在のSカーブで衰退期に入った後は、新技術にシフトしてSカーブを切替える4つのルートを選択するか、あるいは既存技術を継続活用してSカーブを切替える3つのルートを選択するかのいずれかになる。しかし、いずれのルートを選択しても、Sカーブを切替えた後はすべてその中(移動した先のSカーブ内)での漸進的イノベーションを継続していく必要があるから、常に「イノベーション4はイノベーション活動の“起点”」になるということに気づく必要がある。

本要約は、極めて簡単に要約したものですべてをお伝えしていないことをお含みおきください。

「考え方コーチングツールの誕生」 - TRIZの知恵のエッセンス

学校法人産業能率大学 総合研究所 TRIZセンター
TRIZスペシャリスト 黒澤 愼輔

TRIZの60年の歴史を踏まえた最新のコーチングツールがロシア語、日本語、英語の3ヶ国語で同時に開発されました。

GBツールキット(英語名:Guided Brainstorming Toolkit)がそれです。これは、困った状況、何とかしたい状況に置かれたときに、どんな順序で考えれば良いのか、どんな風に打開策を探せばよいのかをコーチしてくれる便利なインターネット・オンライン・ソフトウエアです。
TRIZというと技術的な問題が対象と考えられがちですが、GBツールキットの用途は技術問題に限りません。アメリカで行なったパイロット的導入でも、約半数をビジネス上の課題との取り組みに適用して、技術問題と同じ有効性があったと報告されています。


GBツールキットはシンプルなツールです。主な内容は次の3つです。
*問題解決の手順
*オペレータ・システム
*e-ラーニング

1.問題解決の手順
次の3つのフェーズ・6つのステップに分かれて、ステップごとに何に着目してどのように考えたら良いのかが示されます。

(1)フェーズ1 問題の理解
* ステップ1. 状況と問題
* ステップ2. 目標の明確化
(2)フェーズ2.課題の具体化とアイデア発想
* ステップ3. 課題の分析と選択
* ステップ4. アイデア発想
(3)フェーズ3.解決策のまとめ
* ステップ5. 問題方策案のまとめ
* ステップ6. 解決策

2.オペレータ・システム
GBツールキットの最大の特徴を一つだけ挙げるとすれば、現状を改良する視点を示唆する60個のオペレータからなるオペレータ・システムが挙げられます。オペレータごとに、かつ、そのオペレータを使用する狙いごとに、オペレータが示唆する考え方が活かされている事例を少なくとも2つ挙げてユーザーの理解を助けてくれます。

3.e-ラーニング
GBツールキットを活用する上で要点となる箇所を説明するオンライン・プレゼンテーション形式のe-ラーニングがついているのも特徴の一つです。初めてTRIZに接する人が、「問題解決とは何か?」「TRIZとは何か?」を学ぶための入門教材として格好の内容となっています。

アルトシューラの残した課題を克服した新世代TRIZツール
~40の発明原理以上のアイデア発想を促す~
GBツールキットは60のオペレータしか使いませんが、進化のパターンに沿って現状を変化させる視点と、資源を動員する視点の両方からオペレータを使うことによって、40の発明原理をはるかに凌駕するアイデア発想促進効果を発揮します。

本要約は、極めて簡単に要約したものですべてをお伝えしていないことをお含みおきください。

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