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【SANNOエグゼクティブマガジン】多様化するメンバーとのコミュニケーション術

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

多様性が増す職場では「心理的安全性」がキーポイント

 本学が実施した調査 によると、職場メンバーの多様性は年々確実に進行しています。再雇用のシニア職員、就業形態の異なるメンバー、さまざまな家庭の事情を抱えたメンバー、さらには外国籍の社員も増えています。 

図1.職場の部下について

 このような多様なメンバーをまとめ、チームとしての大きな成果を出すために必要なものは何でしょうか?
 その答えを探すために大規模な調査を実施した企業があります。米国のグーグルです。グーグルは2012年に「プロジェクト アリストテレス(Project Aristotle)」という大規模な調査プロジェクトを始めました*。
 このプロジェクトでは、グーグル社内で高い生産性を発揮したチームに共通する要素を解明するため、社内のプロジェクトチームの活動成果と所属メンバーの言動を詳細に調査分析しました。そこで明らかになったのは、成功するチームには「心理的安全性」が高く保たれているということでした。「心理的安全性」とは、メンバー一人ひとりが周囲の評価を気にすることなく、本来の自分を安心してさらけ出せるかどうか、ということです。つまり心理的安全性が高いチームでは、メンバーは周囲の評価に怯えることなく、率直に自分の意見を発信できるため、チームに貢献できる度合いが高くなるのです。
 メンバーの多様性が増せば増すほど、この「心理的安全性」が果たす役割は大きくなります。どのような属性のメンバーであってもこのチームの一員として尊重される。そういう雰囲気を醸成することが重要です。そのためには、まずリーダー自らが、日々のコミュニケーションを通じて、メンバーに対する心遣いや共感、理解力を持っていることを示す必要があります。リーダーがそうしたコミュニケーションを図ることで、メンバーはこの職場では属性にかかわらず、自分は尊重されていると思えるようになり、メンバー相互の信頼感も醸成されていきます。メンバーはリーダーの振る舞いをきちんと見ているのです。それではそのための具体的なヒントを挙げていきましょう。

チームづくりはコミュニケーションから

 今回は、多様なメンバーのタイプ例を6つ挙げ、それぞれのタイプに対するコミュニケーションのポイントをご紹介します。

「国籍が異なる」・・・ワンセンテンス・ワンメッセージで話す
 日本で生まれ育っているとなかなか意識できませんが、日本はコミュニケーションにおいて、お互いの「当たり前」に大きく依存している社会です。しかし、他の国で生まれ育ったメンバーは、自分と同じ「当たり前」を共有していません。そのため、相手の国籍が異なる場合は、誤った解釈を防ぐためにわかりやすくシンプルに話すことが大切です。ワンセンテンス・ワンメッセージを意識して話しましょう。また「君の言いたいことは、分からないでもない」という二重否定は用いず、はっきり「君の言いたいことは分かります」と伝えましょう。

「部下が年上(元上司など)」・・・仕事の相談をもちかける
 世代によって仕事観は多かれ少なかれ異なります。やはり年長者ほど、人生の多くを仕事にかけてきたといえるでしょう。リーダーとしては、年上のメンバーの仕事観を尊重し、その豊富な経験をうまく引き出すことを意識しましょう。そのためには、自分から仕事の相談を持ちかけることです。「リーダーから頼りにされている」と思うことで、年上のメンバーの自尊心も満たされます。

「デジタルネイティブ世代の新入社員」・・・承認欲求に応え、周囲とのつながりを絶やさない
 幼少期からITに慣れ親しんでいるデジタルネイティブ世代は、仮想空間と現実を区別しないことや、承認欲求の強いことが特徴として挙げられます。SNSの「いいね!」の数に一喜一憂する姿がその表れです。この世代は承認が得られない環境では孤立してしまいやすいので、小さなことでも感謝すべき点があれば率直に言葉で伝え、職場にうまく溶け込めるように意識しましょう。

依存度や不安感が強い社員」・・・仕事の意義を丁寧に説明する
 仕事の進め方に自信が持てなかったり、リスク回避志向が強かったりするメンバーは、周囲に依存しがちです。メンバーには主体的に行動してほしいところですが、そのためには仕事の内容だけでなく、仕事を行う意義を理解し納得していなければなりません。したがって、リーダーは仕事を依頼する際には、組織や職場全体における意義や、本人にその仕事に取り組んでもらう意義やメリットを丁寧に説明する必要があります。

プライドが高い社員」・・・チームの成長という観点で問いかける
 自信をもって仕事を進めるためにプライドは必要です。しかし、プライドが高すぎると失敗を素直に認められなくなり、個人の成長はもちろん、チームとしての成長も阻害されます。このようなメンバーに対しては、仕事を振り返る場面でのコミュニケーションを大切にしましょう。リーダーは、メンバー個人の失敗に焦点を当てるのではなく、チーム全体の成長という観点から、メンバーにどうすれば良かったかを問いかけ、内省を促します。

「他部門やグループ内別会社所属で、立場が異なる社員」・・・ダイアローグ(対話)を試す
 所属組織や立場の違う相手と、論理的なディスカッション(討議)を進めることは決して容易なことではありません。両者が異なる視点から、異なる根拠を踏まえて主張するからです。このような場合は、結論を急がず、まずは相手とのダイアローグ(対話)を心がけます。ダイアローグでは、お互いの所属組織や立場をいったん脇に置き、目指すべき共通の方向性についてお互いの考えを共有します。

図2.メンバーのタイプ別コミュニケーションのポイント

メンバーの特徴 コミュニケーションの
ポイント
具体的なコミュニケーション術
国籍が異なる わかりやすさ ワンセンテンス・ワンメッセージで話す
部下が年上(元上司) 仕事経験に敬意を払う 仕事の相談をもちかける
デジタルネイティブ世代の新人 承認欲求に応える 小さなことでも言葉で感謝を伝える
依存度や不安感が強い社員 仕事の意義を明らかにする 相手にとっての意義(メリット)を丁寧に説明する
プライドの高い社員 内省を促す チームの成長という観点から問いかける
所属や立場が異なる相手 ダイアローグ 結論を急がず、目指すべき方向性を語らう

 チームリーダーは、メンバーの特徴を踏まえて心理的安全性が保たれた状態を作り出し、成果創出につなげていくことが期待されます。

プロジェクト・アリストテレスは、New York Timesの以下の記事に詳細が掲載されています。
“What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team”

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