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【SANNOエグゼクティブマガジン】どうすればカイシャの閉塞感は打開できるか?

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

1.なぜ、カイシャに閉塞感が漂うのか?

 世界的に不安定な政治情勢、グローバル経済の拡大、AIなどのテクノロジーの進歩、既存価値観の変容などにより企業や組織にとっては戦略の方向性を定めることが難しい時代になっています。また、『働き方改革』の名のもと、生産性を落とさず、同一労働同一賃金、WLB(ワーク・ライフ・バランス)を主軸に据えた組織体制づくり、マネジメント活動が企業組織の喫緊の課題となっています。
 そのような中、多くの企業では、市場で勝ち残るため戦略を立案し、M&Aや企業グループの再編、大規模な事業構造改革を断行し、経営陣も従業員も変革の荒波の中、未来を信じ新たな組織づくりを模索していることが窺えます。
 しかし、業界問わず多くのビジネスパーソンは、「職場が疲弊している」「明るい未来が見えない」「仕事がサイロ化(タコツボ化)して情報の共有ができない」と言います。また、トップ層は「なぜ、方針が末端まで下りないのか」「今までの意識を変えて取り組め」と言い、ミドル層は「上の言っていることがバラバラ」「部下が主体的に行動しない」と言い、ボトム層は「若手が入らず人手が足りない」「何をやっても評価されない」と言います。
 なぜ、そのような集団になるのでしょうか。なぜ、そのような相互不信感、閉塞感があるのでしょうか。なぜ、打開できないのでしょうか。そこには急激な変化に対応できない長年培われた組織の風土が強く影響しています。

2.組織風土とは何か

 組織風土を理解する上では、「氷山モデル」が有用です(図1)。組織風土はビジョンやシステムといった目に見える要素(ハードな構造)と、メンバーの価値観や職場(集団)の暗黙的なルールなど目には見えない要素(ソフトな構造)で構成され、集団個々人の認識や行動に深く影響しています。組織風土を変革するためには、その両面に働きかける必要があります。

(図1)組織風土「氷山モデル」

(図1)組織風土「氷山モデル」

ハードな構造(表面に表れた部分)
・ビジョン・目的・使命・目標・方針(明示的な規範)・組織図・公式に設計された職務・公式化された制度や手続きなど

ソフトな構造(隠れた、または隠された部分)
・集団内で受け入れられている暗黙のルールやタブー・集団内で適切とされるモノの見方・考え方・暗黙の思い込み・信じ込み(暗黙の規範)・メンバー間の実際のコミュニケーション・パターン・役割期待 対人関係 勢力関係など
 以上がそれぞれの構成要素となります。

3.組織風土変革3つのアプローチ

 ここからは組織のハード・ソフトの構造に働きかけ風土を改革する3つのアプローチをご案内いたします(図2)。
 1つ目のアプローチは組織調査です。人のカラダは医療の専門家が調べないとどこが悪くてどこが正常なのかわかりません。同様に、組織も定量的、定性的に現状を調査し、全社的に見える化しないと閉塞感の真因がつかめません。
 2つ目は「ウォームアプローチ」と呼び、風土のソフトな側面を調べ改良することです。調査で明らかになった隠れたダーク部分の変革です。情熱と根気が重要です。
 3つ目は「クールアプローチ」と呼び、風土のハードな側面を調べ改良することです。制度やしくみの変革です。形式知化されているのでアプローチは比較的楽ですが、守旧派、無関心派を上手く巻き込むことがポイントとなります。
 これら3つのアプローチは連動して実施することが重要です。

(図2)組織風土変革3つのアプローチ(メソッド)

(図2)組織風土変革3つのアプローチ(メソッド)

 具体的な展開方法は次の通りです。(図3)

0.プロジェクトチームの立ち上げ
 風土変革活動に適したリーダー・メンバーを選定し、プロジェクト企画を練り上げ、経営層の合意を得て全社的プロジェクトとして始動します。トップの強い後押しが肝要です。

1.組織調査
(1)組織活性度調査(ChAO[i]):「意欲」と「満足度」に分けて測定します。組織風土/職場マネジメント/個人に分けて測定することで打ち手の検討を可能にします。また、成長や変革という中・長期的な視点でも現状を把握します。
(2)経営層および部門キーマンへのインタビューによる定性調査:役員インタビューおよび部門単位のデータフィードバックにより暗黙的定性情報を収集します。
(3)調査・分析結果の報告会:タスク(1)(2)で取得した定量情報と定性情報から課題を明確にし、経営層に解決案を提示します。

2.ウォームアプローチ
(1)プロジェクトチームの結成およびメンバーの育成:今後の経営を担う次期リーダーを集めてプロジェクトチームを結成し、部門を越えた経営課題に対処します。プロジェクト活動を通じて、メンバーを自律自走で変革が推進できる人材へ成長を促します。
(2)ワールド・カフェの設計および運用支援による職場風土変革:経営層を含む役職や部門、世代を越えたメンバーの対話を通じて、部門の方向性を合わせます。また、対話というコミュニケーション手法に触れ、職場への展開を図り高品質な対話が継続できる集団形成に寄与します。
(3)組織の壁を超えたミニ集会のしくみ構築ならびに運用支援:グループや部門を超えたミニ集会を運用支援するしくみを構築し、質の高い対話を現場に定着させることによって、組織風土を変えていきます。

3.クールアプローチ
(1)調査結果や中期経営計画を基盤とした方針管理/目標管理制度等の再構築:調査の部門別結果報告書を活用し、成長戦略実現に向けた業績管理制度の再構築と運用、定着を支援します。
(2)CFT(クロスファンクショナルチーム)活動のしくみの設計および運用支援:事業活動展開書から漏れたグループ間、事業部間、部門間の課題をCFT活動によって解決します。
(3)方針展開および目標設定のしくみ設計支援、マネジメント教育:方針展開および目標設定のしくみを整備することで、方針がメンバーに適切に展開されるようにします。また、マネジャーへの実践的なトレーニングにより、事業活動展開書に基づき部門別マネジメントが効果的に実行されるようにします。

(図3)具体的展開方法

(図3)具体的展開方法

4.期待される成果

組織風土変革へのアプローチによって期待される成果は、以下の通りです。

(1)経営方針の浸透による全社員のベクトル合わせ
中期経営計画に基づく目標/方針展開のしくみ再構築、マネジメントの能力開発などを通じて、適切に経営方針がメンバーに伝わります。また、ワールド・カフェでの経営層とメンバーが一同に会した対話の場が設定でき、経営方針に対する社員の理解が深まります。

(2)イノベーションが生まれやすい組織風土の醸成
CFT活動やミニ集会など、組織や部門をまたいだメンバーとの対話場面を設計し、組織内に対話の文化を醸成し、変化を恐れず新たな発想に志向していく風土が築かれます。また、トップダウン・ボトムアップの2つのアプローチによる対話場面を設け、イノベーション創出に寄与します。

(3)自律自走人材の育成
ワールド・カフェ、部門別のファミリートレーニング、ミニ集会などの機会を利用し、活性度調査の結果や自身の問題意識から、課題形成をし、主体的な問題解決が出来る人材が育ちます。また、本プロジェクトメンバーには、全社課題の問題解決活動を通じて、次世代変革リーダーとしての能力が身につきます。

5.おわりに

 ニーチェ曰く、「脱皮できないヘビは滅びる。その意見を取り替えていくことを妨げられた精神たちも同様だ。それは精神ではなくなる」。
 閉塞感に押しつぶされる前に勇気を持って脱皮に挑戦してください。


i組織活性度調査 ChAO(チャオ):イキイキとした組織の実現に向けて、従業員の満足や意欲の状態を測定するとともに、なぜその様な状態であるのかという原因を考えるために本学が開発した調査ツール
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