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【経営幹部育成の最前線】飯塚研究員に聞く

はじめに

本学経営管理研究所で「経営幹部育成コース」に携わる講師陣の一人、飯塚登主席研究員。

経営ビジョンや中長期経営計画の策定、経営理念・方針展開管理のスキーム作成や成長領域への進出を目指した新規事業立案などのコンサルティングまで、ビジネスで要求されるハイレベルのニーズに応えてきた実績を持つ。

産業能率大学 総合研究所 飯塚登主席研究員

産業能率大学 総合研究所 飯塚登主席研究員

今回は、経営幹部育成における実際の教育事例について伺いながら、講師として感じる責任や思いなどについてもお話を聞かせていただいた。

Q 飯塚研究員が携わっておられる経営幹部育成というコースは、どういった層に向けて、どのように行っているものなのですか。

 私の場合、ご依頼くださるお客様はメーカーが多く、その中のマネジャー層が中心となります。課長から部長クラスの中で選抜された10数名に対して、6ヵ月ほどのスパンでインプットからアウトプットに至るまでの教育を行うというものです。つまりご自分の会社の新しいビジネスの方向性であるとか、既存の事業の変革プランといったものを、何ヶ月かにわたって自分なりに考えていただき、最後にご自身の会社の経営陣にプレゼンテーションをするといったものです。

 その過程でアセスメントをして、10数名がリーダーシップをどのように発揮して、どのような提言をしたのかというところを含めて、評価軸を立てて評価し、この課長なり部長なりが、将来の幹部として適性がどの程度あるかという点なども見させていただいています。受講されている方々というのは、学ばなくてはならないし、プレゼンテーションしなくてはならないし、さらにアセスメントもされるわけで、大変なプレッシャーがかかると思います。これは講師である私にとっても同様で、当事者の将来を左右する部分もありますので、責任の重さを感じます。

Q 半年ものスパンに及ぶ研修コースというのは受講する人も講師も大変だと思いますが、それ以外の研修などもあるのですか。

 昨今は2日間ぐらいの日程で、経営者予備軍としての幹部の覚悟を養うようなプログラムも増えてきています。2日や3日ぐらいの時間で意思決定シミュレーションをやることも多いですね。

 またケースメソッドの中でもかなり難しいもの、例えば企業買収だとか売却といったものや、あるいは従業員に辞めてもらわければならないようなケース、外部から訴訟があったときに、自分であればどのように対応するかといったことを、実践的にあまり準備時間をかけずにやっていただく研修なども行っています。そこで人間性の安定感だとか、あるいは火事場の馬鹿力で思い切った判断ができるかどうかといった資質の部分を見るわけです。こうしたプログラムをショートスパンでやっていたりもしています。それでも、本当の経営のシビアさとは違うものになりますが。

 ただ大企業の部長になられて、そこから役員になるとしても、そうしたシビアな局面に直面したことがない方が多いので、温室栽培で育てられ、順当な道を歩いてきた人たちばかりの中から次の社長を出すのは怖い、という感覚が経営層にはあるのだと思います。ですから危機体験を模擬的であれ体験し、そこから得るものを身につけるということですね。まだ試行錯誤の段階ではありますが、そうしたことなども行っています。

Q 大企業の部課長クラスの方であれば、日常のビジネスとは別に、理論的なことをもよく勉強され理解されているのではないしょうか。

 そうですね。ただ、それを現実に生かせるかどうかというところでギャップがあるようにも思われます。そこを体感していただくというのがプログラムの眼目になるわけです。あなたが事業部長であるとして、相当ストレスのかかるステークホルダーと相対したときに、どのような対応を取りますか、とか。あなたが代表で、いろいろな方に訴えられていて、5人に取り囲まれたとき、どう対応しますかといったロールプレイングをしていただくわけです。架空の場面ではありますが、こうした場面設定を通じて、自分の弱さが見えてきます。

結局自分はエクスキューズが多いとか。逃げようとしているとか。説明が下手だなとか。その場をやり過ごそうとしているとか。こうした自分の弱さや傾向に気づくというは、やはり貴重な体験になるのです。

 自分の会社の新規事業プランを作りましょうといった話であれば、ストレスはかかるにせよ前向きな話ですから取り組みやすいのです。しかし出会いたくないような場面に遭遇したときに人間の本当の底力が見えるわけで、そうした点を意識的に作り上げるのが工夫のひとつでもあります。

    Q 受講の成果として経営陣にプレゼンテーションを行うということでしたが、経営陣の受け止め方はどうでしょうか。

     会社によってさまざまですが、大きな評価尺度としては創造性と実現性に大別できると思います。要するに、新しくて面白くてというコンセプトを重視するか、本当にできるかどうかを重視するかですね。願わくは、その両方を満たしてほしいのですが、そこの好みというのは、グラデーションがあるという印象です。時代によって、会社によって違ってきます。経営者、受け手の側としては、今までの前提にとらわれることなく創造的にものを考えなさいというようなお題を出すのですけれども、実際に過去の経緯と全然違う方向性のものを出すと、いったい何を考えているのだと、つぶしてしまう可能性もけっこうあります。そうした点では、まだまだ受け手の経営層も認識が未熟なところもあるのかなという気はします。

    Q 経営幹部育成の受講生に共通する強みや弱みなどの特徴はありますか。

     受講生の能力にはやはり傾向というのがあります。情緒の安定や誠実な態度といった精神的な成熟度は高いのです。大手企業の部長さんたちの特徴ですね。穏やかで落ち着きがあって、どっしりしている。もう一つのいいところは、分析的であることです。情報をよく咀嚼して何が問題であるかを素早く見出すことができる。
     ところが自負心や決断力というところが弱いのですね。またコミュニケーションの取り方が、総じて不得手でいらっしゃる。昔から親や先輩、上司の背中を見て育ってこられた方々ですので、自分も同じスタイルでやられるのでしょうけど、ダイバーシティな組織や状態に対してうまく対応できるかどうかというのは、ちょっと弱い。そこをクリアできている方の特徴というのは、単純にいうと海外勤務の経験があり、海外で子会社の経営などをやってこられた方ですね。修羅場をくぐってきた経験があるのと、あうんの呼吸が通じない風土の中で、いかに言葉と態度を尽くして人を動かしていくかという経験をされたかどうかが大きいのだと思います。

    Q 今までのご指導の経験から見て、どんなタイプの人が伸びるのでしょうか。

     受講された方で実際に社長になられた方がいて、私に連絡していただいたことがあります。ちょっと記憶になかったものですから過去のアセスメントデータを見たら、その方の結果はトップではなかったのですけども伸び率が非常に高い方だったんですね。受講時は、穏やかで、口数が少なくおとなしい印象の方でした。
     しかし、素直というのでしょうか、学びとか外部からの指摘に対して謙虚な方だったのです。また、そうした謙虚さを保てるだけの強さもあったのだろうと思います。抽象的な言い方ですが、あまり利己的でない人ですね。つまり俺が認められたいとか、出し抜きたいという欲を超えて、なにか自分なりの貢献対象というのを早いうちに持っていらっしゃったんだろうなという気がします。類型化するわけにはいきませんが、そうしたタイプの方は伸びるのではないでしょうか。

    飯塚登主席研究員

    Q 最後に飯塚研究員自身どういった自己研鑽を心がけていらっしゃいますか。

     私自身の研鑽ですか(笑)。これはお恥ずかしいのですが、心がけなくてはいけないと思っているのは、心技体ということですね。
     その中でもまず技。つまり受講してくださる方々に対して、私たちがどのような知見を教えることができるのかという技量を鍛えること。それから体力ですね。ホテル泊まりが多いものですから、暴飲暴食を避けるなどして健康の維持管理に努めています。最後が心ということになりますが、これが一番難しいですね。足るを知るの心持ちで日々を過ごすようにしています。
     ただ心技体でどこを優先すべきかといえば技だと。技を基本に鍛えると、心もおのずと強くなると思っております。そのように信じてがんばっております。


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