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グローバル人材の育成と活用に関する実態調査(最終報告書)【第2部:インタビュー調査】

調査結果(最終報告書)の概要<抜粋>

第2部:インタビュー調査

調査項目 調査結果の概要
海外派遣者の選抜 ・ライン部門が主導している企業が多く、人事部の関与の度合いは企業によって異なる。明確な選抜基準を持たない企業が多い。

・実際の判断基準としては「専門性」を重視する企業が多く、語学力はあまり重視されていない。
理由としては、「必ずしも語学力を必要としない仕事があること」「自社の語学力のレベルが高くない場合に候補者が選びにくくなること」「赴任中に語学を身につけてくるという認識があること」があげられた。

・一部の企業ではあらかじめ海外派遣の候補者をプールしておき、計画的な育成やローテーションが可能になるような取り組みが行われていた。こうした取り組みは適性の見極めや計画的な育成に有効だと考えられる。
海外赴任期間 ・赴任期間は3~5年程度を目処としている企業が多いが、交代要員不足などから実態として赴任期間が長期化している傾向が強く、計画的なローテーションで交代要員育成に取り組む企業はごく少数にとどまった。

・赴任の長期化による懸念として「技術者のスキルが劣化すること」「会社の仕組みについていけなくなること」などがあげられた。

・役職や職種によって赴任期間は変動し、一般社員よりもマネジメント層の方が赴任期間は長くなる傾向があった。
海外派遣者の役割 ・国内で、主任から課長クラスの社員が海外派遣者として赴任し、現地ではトップマネジメントまたはミドルマネジメントとしての役割を担うケースが多かった。国内でマネジメント経験のないまま現地でポジションがあがり、初めてマネジメントを担うケースもあった。

・赴任者の職種はほぼ全職種にわたるが、近年は管理系スタッフの赴任も増えており、今後は管理系スタッフのグローバル人材育成が課題になる可能性がある。
海外赴任前教育 ・ 英語や英語以外の赴任先言語に関する「語学教育」が多かった。それ以外では、(1)異文化理解・異文化コミュニケーション、(2)危機管理やリスクマネジ メント、(3)赴任者の役割認識、(4)マネジメント知識・スキル、(5)駐在経験者による体験談、が多く実施されていた。

・赴任者の数が相対的に多くない企業を中心に、語学教育以外の赴任前研修が十分行われていないところも存在した。

・今後の課題として、「一般論ではなく、より具体的で、個々の赴任者の状況に即した教育」、「トップマネジメントに求められる経営管理知識の教育」を提供していくことなどがあげられた。
社員の海外志向 ・海外売上高が高い企業や海外展開が進んでいる企業を中心に、新卒採用者や若手社員のグローバル意識は高く、将来海外で働きたい意向が強い。社員のグローバル意識の高さ、海外志向の強さは部署や職種によっても差が生じている傾向があった。

・入社時には海外志向が強くても、ライフイベントに変化のあった社員を中心に海外勤務を希望しなくなる傾向があった。
海外トレーニー制度 ・全体的には、制度を立ち上げて間もない企業や、今後制度構築が課題と認識している企業が多かった。

・入社5年目前後の若手社員が海外トレーニーの候補者となっており、トレーニー数は10名以下の企業が多かった。

・形態としては、「1.現地実務重視型」「2.自立的実務課題解決型」「3.語学習得+現地実務併用型」の3つのタイプがあり、目的は将来の海外派遣者候補の選抜や確保が中心、海外トレーニー制度が将来の赴任と密接に関係しながら運用されていた。
外国人留学生採用 ・過去から現在にかけて留学生採用の実績があるものの、採用活動は日本人のセレクションプロセスと同様の土俵で行われている場合が多かった。外国人採用枠を別途設けている企業は少数にとどまった。
語学教育 ・語学教育の対象としては、「新入社員」、「選抜者」、「全社員」、「希望者」に分かれ、新入社員と希望者が多い傾向があった。

・TOEICの受験を義務づけたり、奨励したりする企業が多く、いくつかの企業ではTOEICのスコアを昇進・昇格の要件としていたが、TOEICのスコアを昇進・昇格要件とすることにより、「仕事ができる人があがれない」状況が生じることに懸念を持つ企業もあった。
経営の現地化 ・事業特性によって、現地化の必要性に違いがあり、同一事業であっても拠点の状況によって現地化の進み具合には差がある。現地法人の経営体制や歴史、発展度合いなどが影響していると考えられる。

・現地法人のトップに現地の人材を登用するとコミュニケーションコストが高まるという懸念を持つ企業があり、その解決策の一つとして日本人をブリッジ人材として、現地のNo.2クラスに配置するケースがみられた。

・一部の企業で、経営の現地化が進むことによって日本人の海外経験の場が減少することについての懸念が聞かれた。
現地人材の育成 ・ 育成は現地主導で行われている企業が多く、その背景には、個々の拠点の状況や事業特性等に応じて求められる要件や育成のあり方が異なることがある。ただ し、現地任せになってしまい、取り組み内容やレベルにバラツキが生じたり、全体としての整合性がとれなくなってしまったりしている企業も少なくなかった。

・一部の企業では、重要性の高い対象者(ミドルマネジャーや製造現場のリーダーなど)に対して、本社主導で地域横断的な取り組みを行い、共有すべき価値観やノウハウ・スキルなどを浸透・定着させようとする取り組みが行われていた。

・現地人材に対して実施する地域横断的な教育では、リテンションやモチベーションの向上が主な狙いとされているが、一部の企業では、人材の流動性が高く、教育の投資効果があがらないことに対するジレンマが聞かれた。
理念浸透のための施策 ・現地法人関係者に対する理念浸透のための施策は、(1)現地法人の外国人トップに対する理念教育、(2)現地法人の外国人ミドルマネジャーに対する理念教育、(3)現地法人のローカルスタッフに対する理念教育に分かれた。

・海外派遣者に対するWay教育の事例は少なく、国内社員に対するWay教育は主に新入社員教育の中で実施されていた。

・Wayの浸透のためのツール開発を行う企業もあるが、ツール開発にとどめず、いかにその中身を浸透していくかが課題として認識されており、いくつかの企業ではそのための努力や工夫が行われていた。
グローバルリーダーの育成 ・グローバルリーダー(グローバルに異動し、世界各地や本社の経営を担う人材)の育成は「対象者」(日本人のみor外国人のみor日本人+外国人)と「期待役割」(現地法人の経営層or本社の経営幹部層)の2つの観点から、6つのタイプに分けられた。

・未実施の企業は、まだ検討も行っていない企業と、実施に向けて検討を進めている企業があった。
人材マネジメントシステムのグローバル化 ・現地法人の人事制度は各社各様で統一されていないとする企業が多かった。現地法人の人事制度が各社各様となっているのは、その現地法人の「出自や歴史の違い」、「現地固有の状況」によると考えられる。

・人事制度の統一の必要性については、個々の企業によって見解が分かれており、必ずしも統一を志向する企業ばかりではないが、統一を志向しない企業でも、 一部のコア人材については共通化を図ろうとする動きが見られた。また、必ずしも制度の統一ではなく、運用面や大枠の部分での共通性を志向する企業もあっ た。

・グローバルな異動を推進するための人材データベースを実際に構築している企業は少数だった。同様にグローバルな人事ローテーションが日常的に行われている企業も少なく、地域をまたいだ異動が行われていない企業のほうが多かった。
日本本社のグローバル化 ・日本の本社社員のグローバル意識の不足や本社のグローバル化の難しさを指摘する声がある一方で、社員のグローバル意識の高まりを感じている企業もあり、個々の企業によって状況に違いがあった。

・本社のグローバル化を推進するための施策としては、「外国人と協働する環境をつくる」「国内の育成体系にグローバルの要素を織り込む」「海外経験を積ませるための仕組みづくり」などの取り組みが行われていた。

・管理部門のグローバル化では、経理領域に比較的海外経験のある人材がいるという声の一方で、人事部門については、海外経験者の少なさを指摘する声が聞かれたが、一方で徐々にグローバル化を進めているというケースもあった。

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