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企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~ 【第3回「自己啓発受講」のより詳しい活用実態について】

 学校法人産業能率大学にて2016年3月に実施した「企業・団体内教育における通信教育の活用実態調査」では、通信教育を企業・団体内教育に利用している企業・団体は全体の66.4%、自己啓発受講を利用している企業・団体は全体の55.2%と過半数にのぼることがわかりました。

 第3回目は、多くの企業・団体が利用している通信教育の「自己啓発受講」のより詳しい活用実態についてお伝えします。自己啓発受講とは、企業・団体がラインアップしたコースからメンバーが好きなコースを自主的に選んで受講することを指します。

受講率は10%未満の企業・団体が最も多い

 企業・団体のご担当者から、よく「他社・他団体の受講率はどのくらいですか?」「受講率の平均はどのくらいですか?」とご質問があります。受講率は、対象者全体(受講候補者)の中で実際に受講した人の割合です。
 その回答となるのが次の図です。0〜10%未満が最も多く61.2%でした。図では10%刻みで集計していますが、受講率自体は数値として算出しており、元の数値での中央値(すべての数値を順に並べたとき中央に位置する数値)は6.8%です。企業・団体の規模にもよりますが、10%を超えれば標準以上、20%を超えればかなり良い方と言えます。
 なお、100%と回答した企業のプロフィールを確かめたところ、上場企業と非上場企業が半々、大企業と中小企業も半々の割合でした。

 教育担当者からすれば30%、40%くらいはあってもいいのでは……と思うところですが、そこまで高い企業はかなりレアケースと言えそうです。では、受講率を高めるにどのような手が打たれているでしょうか。企業から受講者(受講候補者)への支援の状況を見てみましょう。

企業・団体の8割以上が自己啓発受講を金銭的に支援

 通信教育の自己啓発受講において、多くの企業・団体が受講料への補助を行っています。今回の調査では、「修了・未修了に関わらず補助金を支給する」は9.5%のみで、ほとんどは「修了した場合に補助金を支給する」(72.7%)と回答しています。「金銭的補助は行っていない」との回答は15.0%でした。

 さらに補助を行う企業・団体の補助率を集計したところ(記述によるものを複数回答にて集計)、最も多かったのは「補助率50%」(57.5%)、次点が「補助率100%」(30.4%)でした。

※複数回答にて集計。例えば「優秀修了した場合は100%、それ以外は50%」ならば100%と50%に1カウントずつ、「修了した場合は100%、修了しなければ0%」ならば100%と0%に1カウントずつ。また、「金銭的補助は行っていない」との回答を0%に含めています。

 なお、補助率は一律のみとは限りません。複数の補助率を擁する企業・団体の次のような回答が見受けられます。

 ・「職務に直結するコースは70%、それ以外のコースは50%」
 ・「修了した場合は50%、未修了の場合は0%」
 ・「優秀修了の場合は100%、普通修了は50%」

 本学も、補助率に上記のようなメリハリを利かせ、募集パンフレットやリストで提示することなどを各社・団体の状況に応じてご案内しています。補助率に納得感のあるメリハリを利かせることも、受講や修了を促す有効な手段のひとつです。

 なお、自組織の基準や方針に照らして、通信教育受講に補助してよいと考える補助額を尋ねたところ、自己啓発受講では「10,001~20,000円」が23.8%、次いで「金額に関わらず受講料全額」が20.2%の順に多いという結果でした。自社・自組織での自己啓発受講への補助を考える際にご参照ください。

開講回数は「2回/年間」が最も多い

 自己啓発受講を実施している場合に、1年間あたりの開講回数(申し込みの締め切り月数)をお尋ねしたところ、最も多かった開講回数は、「年2回」が38.7%でした。次いで「年1回」(32.3%)、「年12回」(17.3%)が多いようです。

受講を促す施策

 通信教育の受講を促す施策の実施状況を、いくつかのかたまりに分けてお伝えしたいと思います。

・募集の際の魅力向上・工夫
 「受講コースを揃え、選択の幅を広くしている」が46.8%と最も多く取り組まれています。「良質なコースを選ぶ努力をしている」も34.2%と高い率で取り組まれていました。コースの充実したラインアップや良質なコースのあることが、受講を促すには重要と認識されていることがうかがえます。

・事務局からの働きかけ
 「事務局にて部門別の受講状況を明らかにして現場の管理者に伝え、受講を促してもらっている」が26.9%と最多でした。次いで「事務局からメンバーに直接メールを送り、自己啓発学習を促している」(24.9%)、「社内・組織内に通信教育募集用ポスターを掲示してPRしている」(22.9%)という受講者への直接的な働きかけが続きます。

・受講前の職場での準備・促進
 「上司や先輩などが受講するコースの意義を伝えて、受講者の学習への意識を高めている」「目標設定面接時に自己啓発受講を上司から促すようにしている」がそれぞれ15.0%でした。

・受講後の場の整備
 「受講して学んだことを実践する機会がある」が8.0%、「受講者が学習した内容を上司や同僚に伝える場や機会がある」7.0%でした。

・協同学習
 「グループ受講を勧めている」が6.0%、「グループ受講で全員が修了した場合に何らかのインセンティブを与えている」が2.3%でした。

・動機づけにつながるしくみ
 「補助金を修了後に、修了した場合のみ支給している」が42.9%で最も多く、次いで「修了履歴を人事情報として記録しており、記録されることを従業員に明示している」(10.3%)、「修了者の氏名を社内(掲示板、イントラネット内、ほか)で掲示する」(5.0%)、「修了した場合、受講料補助とは別に何らかのインセンティブを支給している」(4.0%)の順でした。

 以上、施策の実施状況を駆け足で解説しましたが、「多くの企業・団体が取り組んでいる=良い施策」とは限りません。また、ひとつの施策だけですべてがうまくいくとも限りません。世間一般での実施状況を把握した上で、上記項目群を自社のニーズや特性に応じた施策を実施する手がかりとしてご参照ください。

 次回(最終回)は、自己啓発受講の通信教育が個人や部門・部署、組織のパフォーマンスにどの程度役立っているかという認識や、人材育成に通信教育を活用する際の課題、また今後さまざまな人材育成テーマの教育に用いたいと考えられている人材育成手段などについてお伝えします。

(学校法人産業能率大学 総合研究所 
普及事業本部 マーケティングセンター 末廣 純子)

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連載 テーマ 公開日
企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~ 2016年9月27日
第1回 さまざまな人材育成手段の導入状況・導入目的と教育費の配分 2016年9月27日
第2回 企業・団体内教育での通信教育利用状況 2016年10月20日
第3回 「自己啓発受講」のより詳しい活用実態について 2016年11月21日
第4回
(最終回)
自己啓発受講での通信教育の役立ち度調査 2016年12月19日
テーマは若干変更することがあります。予めご了承ください。
著者の所属・肩書きは掲載当時のものです。

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