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企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~        【第2回 企業・団体内教育での通信教育利用状況】

 学校法人産業能率大学では、2016年3月に「企業・団体内教育における通信教育の活用実態調査」を実施しました(データ概要は連載第1回をご参照ください)。
 今回はその結果から、通信教育の活用実態を「自己啓発受講(企業・団体がラインアップしたコースから好きなコースを自主的に選んで受講するもの)」と「必須受講(企業・団体が受講を義務付けるもの)」に分けてご覧に入れたいと思います。

通信教育を利用したことのある企業・団体は7割超

 企業・団体内教育に通信教育を現在利用している割合は、今回の調査にご協力いただいた企業・団体では、全体の66.4%でした。また、「以前は利用していた」6.2%を含めると、通信教育を利用したことのある企業・団体は全体の7割を超える72.6%になります。

通信教育の利用状況

 通信教育の使い方を、自己啓発受講と必須受講とに分けると、「両方とも利用している」がほぼ4社に1社にあたる24.4%を占め、「自己啓発受講を利用している」が30.8%+24.4%=55.2%と過半数にのぼりました。また、「必須受講を利用している」が11.2%+24.4%=36.6%で全体の約3分の1という結果でした。

自己啓発受講の目的は「広く学ぶ機会を提供」と「学ぶ風土の醸成」

 では、通信教育はどのような目的で用いられているのでしょうか。

 自己啓発受講を用いる目的としては、「多くの従業員に、広く学ぶ機会を提供するため」76.4%と「自ら学ぶ風土を醸成するため」69.1%の2項目への回答が特に多く見られました。
 ほか、自己啓発受講において通信教育を用いる目的として回答者の4割以上が回答した項目は、「メンバーのキャリア意識を醸成するため」46.2%、「メンバーのモチベーションを高めるため」46.2%、「福利厚生の一環として」42.2%、「部門や職種等で異なる多様な能力開発ニーズに柔軟に対応するため」41.9%の4項目でした。

社内教育に通信教育を用いる目的(自己啓発受講)

必須受講の目的は「昇進・昇格後の地位に応じた知識・スキルの習得」、
活用方法は「昇進・昇格と連動して受講」

 一方、必須受講では、「昇進・昇格で進む職位・職能資格に応じた知識・スキルを身につけてもらうため」との回答が最も多く、全体の67.5%でした。次いで多かったのが「多くの従業員に、広く学ぶ機会を提供するため」46.9%、「自ら学ぶ風土を醸成するため」39.2%でした。
 この2項目は自己啓発受講の1位、2位と共通であり、通信教育というツールそのものが、「おおむね学ぶ機会を広く提供したり、自ら学ぶ風土を醸成したりするためのツール」と認識されているようです。
 ただし、必須受講でのみ「広く一斉に学ぶ必要のあるテーマを学ぶため」の回答が3分の1以上である36.6%に上りました。昇進・昇格といった個々人のキャリアの節目を支えることに加えて、組織や時代の節目・要請に応じる目的のためにも活用されている点が、必須受講での通信教育の特徴といえそうです。

社内教育に通信教育を用いる目的(必須受講)

 また、必須教育については、通信教育の活用方法についても併せておたずねしました。最も多かった回答は「昇格(職務資格が上がる)と連動して受講」47.7%と「昇進(役職位が上がる)と連動して受講」32.6%であり、必須受講で通信教育を用いる目的が「昇進・昇格で進む職位・職能資格に応じた知識・スキルを身につけてもらうため」であることと一致していました。

必須教育における通信教育の活用方法

自己啓発受講を実施する3大テーマは「資格取得」「ビジネス基礎スキル」「コミュニケーションスキル」

 自己啓発受講を実施しているテーマをたずねたところ、10テーマで半数以上が「実施している」との回答でした。中でも上位5つは「資格取得」64.8%、「ビジネス基礎スキル(思考力や書く力など)」64.5%、「コミュニケーションスキル」63.1%、「英語」62.5%、「財務・会計・計数」61.1%でした。
 なお、実施している企業・団体が27.2%の「健康」をテーマとする通信教育の自己啓発受講ですが、産業能率大学 総合研究所において、その受講数が近年目ざましい伸びを見せています。テレビや雑誌では、健康増進に関する番組や特集がずいぶん多く見受けられます。国全体としても、2015年度から経済産業省によって健康経営銘柄の選定・公表が行われたり、メンバーの心身の健康のためにストレスチェックが企業に義務付けられたりするなど、「治療」から「治療が必要になる前の予防健康の増進」により焦点があてられるようにもなってきました。テーマとして「健康」を取り入れている企業・団体はまだ少ないですが、今後興味関心が高まるテーマかもしれません。

通信教育を実施しているテーマ(自己啓発受講)

必須受講を実施する3大テーマは「マネジメントスキル(管理職)」「マネジメントスキル(プレ管理者)」「ビジネス基礎スキル」

 必須受講において通信教育を実施しているテーマとして特に回答が多かったのは、「マネジメントスキル(管理者向け)」55.7%、「マネジメントスキル(プレ管理者)」49.5%でした。次いで、「ビジネス基礎スキル(思考力や書く力など)」42.3%、「経営管理に必要な知識・スキル」38.7%および「職種・職能別スキル」38.7%との回答が比較的多く見受けられました。いずれも職位や職能、職種に対応して教育を考えたいテーマです。目的、活用方法、テーマと一貫した結果から、通信教育の必須受講が、企業や団体の仕組みを支える手軽なツールとして用いられていることがうかがえます。

通信教育を実施しているテーマ(必須受講)

 以上、通信研修を使っている企業の割合、必須受講と自己啓発受講それぞれでの用いる目的、テーマ、想定する対象などについてお伝えしてきました。
 通信教育を用いたことがある企業は回答全体の7割を超えており、企業・団体における人材育成ツールとしては比較的広く用いられていることや、自己啓発受講では組織がメンバーに学びを広く提供したり学習する風土を醸成したりするために用いられていること、必須受講では昇進・昇格などの個々人の節目や時代や組織の要請という大きな意味での節目における学習で用いられることなどが見えてきました。

 同じ通信教育という学習手段を用いていても、自己啓発受講と必須受講では、その利用目的は異なります。目的が異なれば、通信教育という学習手段が同じでも果たす機能は大きく変わります。そのため、目的に応じた効果的な活用方法を検討すること、よりよい活用方法を追求し続けることは、目的をより確実に実現するためにも重要です。

 そこで次回は、特に自己啓発に焦点を当て、通信教育の使われ方についての回答を中心にお伝えしたいと思います。

(学校法人産業能率大学 総合研究所 
普及事業本部 マーケティングセンター 末廣 純子)

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連載 テーマ 公開日
企業・団体内教育の今!~最新調査データで見る教育手段の活用実態~ 2016年9月27日
第1回 さまざまな人材育成手段の導入状況・導入目的と教育費の配分 2016年9月27日
第2回 企業・団体内教育での通信教育利用状況 2016年10月20日
第3回 「自己啓発受講」のより詳しい活用実態について 2016年11月21日
第4回
(最終回)
自己啓発受講での通信教育の役立ち度調査 2016年12月19日

テーマは若干変更することがあります。予めご了承ください。
著者の所属・肩書きは掲載当時のものです。

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