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インタビュー特集  野村證券株式会社 栗崎修氏

インタビュー特集

未来を見すえて、チャレンジを続ける。その企業姿勢が求める人材とはどのようなものなのか。

2025年に創業100周年を迎える野村證券。
その強さの秘訣は、未来を見すえ、変化をチャンスとしてとらえて、チャレンジし続ける企業姿勢にあるのかもしれない。「自立(律)型人材」の育成を目標に掲げる同社の人材育成について、人材開発担当の執行役員である栗崎修氏にお話をうかがった。

野村證券株式会社
設立日:1925年12月25日
資本金:100億円
従業員数:12,902名(2016年3月現在)
事業内容:
「野村ホールディングス株式会社」の100%子会社であり、野村グループのコア業務である証券業務を担う中核会社。日本を代表する証券会社として、資本市場を通じ資産運用・資金調達などのサービスを提供する。

    栗崎修氏

    先輩インストラクターが若手を育てる それが野村證券の伝統

    野村證券といえば営業力の強さが印象として浮かびますが、その強さの秘訣はどこにあるとお考えですか。

     営業力が強いということは、たしかに伝統的にあるかもしれません。他の企業の新入社員がなかなか学生気分が抜けないような時期であっても、野村證券では早い段階で社会人への転換が図られている、と外部の方から言われたことがあります。もしそうなのだとすると、それを可能にしているのは、若手をいち早く一人前に育てようとする文化が当社の中に根付いているからだと思います。

     野村證券には先輩社員によるインストラクター制度というものがあり、わたし自身、入社当時、その制度で鍛えられたという実感があります。このインストラクター制度は、1974年からスタートしたもので、先輩社員が1年間にわたって新人をきめ細かく指導するという制度です。

     当時、わたしについたインストラクターは3年上の先輩だったのですが、学生時代に感じていた先輩像とはまったく違っていました。たった3年しか離れていないのに、感覚で言えば10年以上離れているくらいの人生経験があり、仕事ぶりといい、話す言葉といい、とにかく格好いいわけです。何事に対してもとても厳しい先輩でしたが、自分が3年たったとき、ああなりたいと思える理想の姿でした。

     当時新人は、まず外交に出ることから仕事が始まるのですが、どこのお客様のところに行っても、その先輩インストラクターの名前が出るのです。「○○君が来ているよ」「○○君が来たよ」という具合です。そんな状況に参ってしまい、一度だけ、その先輩インストラクターに弱音を吐いたことがありました。「どこに行っても先輩の名前が出ます。こんな有様では、自分のお客様として獲得する自信がありません。」と。すると、その先輩はしばらく黙って、やがてこんなことを言いました。「いや、実は自分もそうだったんだ。新人の頃、どこへ行っても先輩の名前を出された。だけど、いま、自分はこれだけのお客様を担当して、多くの資産を預けていただけるようになった。だから、絶対に君にもできるよ。」と。これを聞いて、わたしは奮い立ちました。

    栗崎修氏

    野村證券本社ビルにて

     インストラクターには誰もがなれるわけではありません。社長から委嘱された社員だけがインストラクターとして後輩の指導にあたります。入社3年から7年くらいの若手のリーダー的存在で、簡単に言えば仕事ができて人間としても尊敬できるタイプの社員が選ばれます。

     野村證券の営業力が強いのだとしたら、こうした若手を育てる文化があり、制度の充実があるからだと思います。

      一人ひとりの個性に着目して 深い部分でコミュニケーションをとる

      ― 人材開発担当の執行役員として、人材を見いだし、育てることの意義をどのように考えておられますか。

       人を育てるということは簡単なことではありません。しかし簡単ではないからこそ、人材育成には喜びがあると思います。その喜び、醍醐味のひとつには、自 分を超える人材を育てるということがあるのではないでしょうか。自分を超えてくれる人材の育成こそが、企業が永続的に存続する条件であると考えています。 そういう思いでわたし自身は取り組んできたつもりです。いまは採用にも携わっていますが、人のポテンシャルを見抜くということは大変難しいものです。また 見抜けるものでもありません。重要なのは、いかにして育成するかということだと思います。

       われわれが当時受けていた、自分ではい上がってくるのを待つような育成方法は、いまなら厳しすぎるとお叱りを受けてしまうレベルかもしれません。
      いまは、時代に合わせて、A君、B君、C君一人ひとりの個性に合わせて、その都度、その個々に焦点を当てた育成をしなくてはならないと考えています。

        栗崎修氏

         インストラクターに対するアドバイスも同じです。いまは、とにかく一人ひとりをよく見て、その理解の上に立って深いところでコミュニケーションをとるよ うにしてくださいと言っています。職場の中に、自分のことを心にかけている人がいるかどうかによって、その新入社員の育成状況や離職率、休職率などがはっ きりと変わってくるのです。以前は黙って俺について来いという育成スタイルが主流だったかもしれませんが、いまの時代はそれではダメで、きちんと向き合っ て、言葉をかけないと誰もついてきてくれません。

        顧客より常に半歩先にいなくてはならないからこそ

        ―― 時代に応じて変化していく中で、いま野村證券として求める人材像や育成にあたって大事にされている価値観といったものについてお聞かせいただけますか。

         研修などで一貫して伝えているのは、「自立(律)型人材」ということです。これは自ら立つ人材と自らを律する自律の、ふたつの意味を兼ねあわせたものとしてプログラムを組んでいます。自立(律)型人材を具体的に言えば、自ら考え行動して、周囲に働きかけ、やりきる人材ということです。

         これはなかなか難しいことで、世の中全般の風潮かもしれませんが、与えられたことは100%やるのですが、逆に言うと与えられないことはできない。われわれの仕事は、お客様より半歩先くらいの位置からアドバイスをさせていただくようなところがありますので、お客様から与えられた課題に対して、その期待を超えるような回答をすることが必要です。しかし、残念ながら、まだ与えられた課題だけに回答して業務終了、という感覚を持っている人が多いかなという印象があります。

         ですから、もっと自分で考えて、行動して、やりきる。そういう部分がまだ完璧ではありませんので、それができるようになることを目指すことが人材開発部門の使命であり、研修を実施し続ける意味だと思います。
         野村證券の人材育成の基本はインストラクター制度をはじめとするOJTですので、現場の皆さんと一体となってやっていかないと、われわれの目指すところは実現できないのではないかと思っています。

         こうした理想にどう近づけていくかということは、若手層だけではなく、マネジャー層含めてその他すべての階層で考えています。と言いますのも、もし若手だけにこうしたレベルアップを図っていたとしても、それを理解して支持するようなマネジャー層がそのレベルに達していないと、否定されてしまいます。つまり、若手層のレベルアップとマネジャー層のレベルアップというのは、一対のものということです。どちらか、ではなく、同時にやらなくてはならないものと考えています。

        社内だけでなく社外とともに変革を考える 未来共創ミーティングを実施

        ―― 2008年のリーマンショックは多くの企業の教育育成プログラムに影響を与えたようにも見えますが、その点、御社におかれてはいかがでしょうか。

         野村證券の財産が何かと言えば、人しかありません。メーカーのように最新の設備投資や最新の技術を持っている企業ではありません。まさに人材こそが財産です。そこへの投資をやめるのは企業として生き残れないということにつながります。そういう意味で、人に対する投資はリーマンショック以前も以後も変わらずにやってきました。

         特に力を注いだ取り組みの一つに「未来共創ミーティング」があります。2011年度にスタートし、全国の支店長、本社の部長向けに自分自身の自己改革というテーマで8泊9日連続となる研修を実施しました。いまの自立(律)型人材をつくるという目標の原点となったものです。また、野村證券という企業の中だけで変革を考えるのではなく、外に向かっての変革も視野に入れ、お客様と一緒になって野村の将来を考えるプログラムも設けました。外部との接点を持ちながら組織の改革を進めるということは難しいことなのですが、公共団体や教育機関、ヘルスケア部門など、さまざまなところとの将来のコラボレーションも視野に入れてプログラムを構成しています。

         わたし自身、かつて広島支店長として研修に参加しましたが、経営戦略論からターゲット顧客の設定、あるいは社会とのかかわり方はどうあるべきか、などと いったことを支店長同士で本気で議論しました。日々数字を追うだけでなく、野村證券の未来をどうすべきかを真剣に考え議論し、また相互に学ぶということが なされています。

         2011年から5年を経て、環境の変化に合わせた企業の自己変革という視点でみると、組織の中の関係の質を高めれば、思考の質が変わり、思考の質を変え れば行動の質が変わり、結果の質が変わってくるという成功の循環モデルに少しずつ近づけているのではないかと考えています。

          野村證券90周年ポスター

          野村證券90周年ポスター

          好奇心、向上心という野村證券のDNAを次世代へ

          ―― 教育の機会を与えても応える手がなかなか挙がらず、悩んでおられる企業が多い中で、自ら積極的に学ぼうとされる文化があることが御社の強さの秘密なのでしょうか。

           そこには昔から野村證券に流れているDNAのようなものがあると思います。「学びたい!」「がんばりたい!」と手を挙げる社員の手は絶対に離さない。そういう会社です。当社の自己啓発を支援している制度である『NBA』も、まさにそうで、自ら手を挙げて学びたい社員をしっかり受け止めるという伝統が受け継がれていると思います。

           現在、当社は長期経営ビジョンとして「Vision C&C」〈変化をチャンス(Chance)に、チャレンジ(Change)していく〉ということを掲げています。これは、東京オリンピック・パラリンピックのある年でもある2020年に向けてのビジョンなのですが、その時に中核を担っているのがいまさまざまな研修を受けている社員だと思いますので、その社員にわれわれが先輩から受け継いできた不変のよき伝統を伝え、同時に、時代に応じて変化していくべきものもしっかりと教えていきたいと考えています。野村證券らしい好奇心や向上心というものを持ち続けてもらいたいのです。

           毎日がんばっていることが、そのまま結果として積み重なり、まもなく100周年という節目を迎えます。この毎日の積み重ねこそがわれわれのDNAというべきもの。これをしっかりと伝えていきたいと考えています。

          野村證券が推進する能力開発支援制度
          NBA ~Nomura Business Academy~

          野村證券社員の学ぶ意欲をサポートしているのが、能力開発支援制度であるNomura Business Academy、通称『NBA』です。NBAの受講対象者は国内在住の全社員で、他社へ出向中の社員も受講できます。年2回、NBAのパンフレットと WEBを作成し、全社員へ配布することで受講意欲を刺激しています。2011年に制度の刷新を図ってから5年経過しましたが、NBAの受講者数は年を追う ごとに増加しています*。
          ビジネスの現場で役立つ実践的な内容からグローバル社会に応えるための講座など豊富なラインアップを用意し、人材開発部としても社員の自己研鑽意欲が高まるよう日々試行錯誤を重ねています。

          *2016年度実績(推定) 集合研修:約1,000名 通信研修:約2,000名

            全社員配布のパンフレット

            全社員配布のパンフレット

            NBA

            〈 NBA集合研修受講者の声 〉

            本質を学んだことによって、コミュニケーションの重要性に改めて気づかされました。
            学んだことを明日から実践し、お客様の信頼を勝ち取りたいです。

            『お客様の心をつかむ手紙の書き方講座』 受講者


            これまでさまざまな研修を受けてきて、数週間もすると内容を忘れてしまうことが多かったのですが、この研修は正に「気づきの端緒」となり、いつまでも心身に残ると思います。

            『自分自身の心の癖を見直す 人徳力UP講座』 受講者


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