総合研究所の概要

お問い合わせ

資料請求リスト

【SANNOエグゼクティブマガジン】判断基準を見直す3つのキーワード

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

「人間は考える葦である」 ― パスカルが主張した人間のあり方です。ハーバード大学のロバート・キーガン教授は、人間は考えることを運命付けられた存在であると述べています。つまり私たちは、何かしらものごとを考えようとする特性を持っており、考えるようにしなければならないということです。ただし、現在のようにすべきことが多々あり、スピーディに対応しなければならないとき、私たちは思考も効率化せざるを得ません。思考の効率化はとても大切なことですがその結果、本当に考えなくてはならないシーンでも「浅慮」といった状態になっていると考えられます。

今回は、思考のあり方について、日々感じていることを述べていきたいと思います。

思考の自動化と現場の状況

考えるとは、ものごとに対して自分なりの結論を見出す行為と言えます。考えるという行為はNLP(Neuro Linguistic Programming・神経言語プログラミング)的に言うと「脳に空白ができる」こと、言い換えると「分からない」という状態です。私たちにとって空白が埋まらない(分からない)状態は実は不安であり、不快感すら覚えます。そこで私たちは、その空白を埋めるためすばやく考えようとします。このとき、ゼロから情報を分析していると時間が掛かるため、これまでの判断基準等に照らし合わせていきます。そして、それを繰り返すうちに反射的に答えが出るような思考パターンを作りあげます。これが「思考の自動化」です。

思考の自動化は、効率性においてはプラスのインパクトがありますが、ビジネスの現場を見ていると「自分中心的判断」になってしまっている傾向が大きいように思われます。

現在のビジネス環境下で大切なこと

私たちの日常的な思考パターンは大きく2つに分けられます。

・自分の持つ判断基準から意味合いを見出す「演繹的思考」
・複数情報から共通する意味合いを見出す「帰納的思考」

そもそも私たちは演繹的思考でものごとを考える傾向が強くあります。なぜならば、自分の判断基準に照らして判断する方が機械的に、簡単に答えを見出すことができるからです。もちろん、日々の中で「判断基準に照らし合わせると…」と意識的に考えているわけではありません。それどころか、事象を見て反射的に「A、だからC」といったように考えているでしょう。しかし実際には、無意識的に何らかの基準に当てはめて考えており、その多くは自分なりの判断基準、もう少し言うと自分なりの価値観で判断しているのです。

ここで改めて考えてみることがあります。私たちの判断基準は、これまでの経験、言い換えると自分自身が直接的に体験した結果、得た気づきや他者から明示的・非明示的に示された価値観など、過去の経験によって培われたものであるということです(下図参照)。

判断基準

ビジネス環境変化の激しさからよく言われることは、「これまでの考え方を変えること」です。組織のトップや上司から、または研修でも言われることで、異論を挟む余地はないでしょう。しかし現実的には「これまでの考え方を変える」までには至っていないというのが現実ではないでしょうか。なぜならば、「これまでの考え方を変える」必要性は頭では分かっているものの、見直すための意識も機会もつくっておらず、思考の自動化に任せて行動している場合がほとんどであるためです。

現在のビジネス環境では、スピーディに考えることは不可欠です。したがって、思考の自動化を画一的に否定しようとは思いません。しかし、自分なりに答えを見出すためのものの見方・考え方について今一度見直さないと、結局はビジネス活動も表面的なものになってしまうのではないでしょうか。

ユートピアはユートピア

さまざまな組織に伺って強く思うこと、それは、トップもミドルもフロントも、キャリアを積んだ方もキャリアの浅い方も、みな“閉塞感”を抱いているということです。現状を変えたいのは同じなのに、それぞれが自分の判断基準に縛られています。人によっては自分の判断基準にこだわって他者の判断基準を批判するものの、その基準は自分でも無意識のうちに気になっている―そのような状態に見えます。

今までの判断基準を否定する必要はありません。しかし今後、未来を見据えた判断基準を持っていないことには、私たちは単に漠然としたユートピアを夢見て今と他者を否定するのみで、目の前の状況は何も変わらなくなってしまうのではないでしょうか。

判断基準を見直す3つのキーワード

組織のトップもミドルも、キャリアの多少にかかわらず、すべての人が自分の判断基準を見直す必要があります。

では、どのように見直すのか。具体的な方法はシンプルです。自分自身にそして他者に問いかけることです。その際のキーワードは2つです。
1つめは、「本当に?」
2つめは、「他には?」
ただし、単に今に焦点を当てて判断基準を問い直すのでは、自分の今の判断基準を強化する結果になりかねません。そこで大切な3つめのキーワードが、
「Well-Being」(良好な状態・より良くある)
です。Well-Beingのためにどのような判断基準を設ければよいかを考えて、構築することです。

Well-Beingという言葉、実は中学か高校時代の先生から聞いた言葉でした。ポジティブ心理学でも使われているこの言葉は今、本当に大切であるように思います。
なお最後に、判断基準を見直し、Well-Beingのための具体的行動を考えるときに注意すべきことがあります。それは、過度な理想主義者にはならないということです。Well-Beingは大切ですが、それは未来へのWell-Beingを意識しつつも、足元の現実とのバランスもとる必要もあります。


お問い合わせはこちらから

ページ先頭へ

  • 導入のご相談、提案のご依頼、各種ご質問はこちらからどうぞ
  • 資料をご希望の方はこちらからどうぞ(無料)
  • デジタルカタログはこちらから
  • 官公庁・自治体職員向け研修案内
  • 総合研究所 経営管理研究所
  • グローバルマネジメント研究所
  • サンノーWebサポート
  • SuperGrace Web成績管理システム
  • マナビバサンノー
  • sannoメール登録

他のコンテンツを見る

SANNOが大切にしている活動スタンス
理想のイメージをお客様と共に創り上げるために、大切にしている活動スタンスをご紹介します。
人材育成・研修 用語集
人材育成・研修に関する用語集です。実務にお役立てください。