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【SANNOエグゼクティブマガジン】採用活動のオープンイノベーション

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

1. 企業の“採用受難”が現実味を帯びてきた

2016年卒の新卒採用は「採用選考に関する指針」の変更に伴い、会社説明会ならびに選考開始が大幅に遅くなり、インターンシップが水面下での選考活動となり、活動自体は長期化の様相を呈しました。さらに、2017年新卒の同指針では、選考開始が8月から6月に再度変更され、混乱を招いています。

昨年は大手企業の採用が本格化した8月以降、首都圏の企業でも複数の内々定を得た学生による辞退が続出し、内定者の引き止めに苦慮していました。企業は入社予定の学生の本音を引き出すための懇親会や、会社と地域への理解を深める職場研修、保養所の利用企画などを行い、辞退数抑制に努めていました。
これからもこのような状況が毎年続くようになると、規模の大小に関わらず、人材確保ができない“採用受難”による経営悪化、最悪の場合は倒産という結末を迎える企業が出てくることも現実味を帯びてきています。

2. 採用活動の意味合いが変わってきた ~採用自体が経営戦略そのもの~

企業・組織の経営戦略は最も重要なリソースである人的資源の獲得、すなわち採用戦略を起点とします。このことを実現するための採用活動そのものの意味合いやありかたが以下のように変化してきています。 

[1] 事業運営のみならず、採用活動も全社員で取り組み、理念、ビジョンを重視していく
[2] 企業側と学生側がツーウェイで議論できる“共学型”ワークショップを展開する
[3] インターシップでの会社概要の説明をフル・オープンにしてリアル体験してもらう
[4] 内定期間を人づくりの起点と位置づけ、社会人・会社人としての磨きをかける

3. 採用活動に「オープンイノベーション」を起こす

先行、先進企業における採用活動の新しい動きを見ると、一見当たり前に見えてなかなか整備されていなかった採用方法の基軸である人材像づくりの取り組みがあります。

そして、企業側と学生側の相互理解という視点に立った採用活動のマーケティング化が展開されつつあるなど、採用活動自体に「オープンイノベーション」の動きが起こってきています。
このような状況の中で、これからの採用活動に求められる重要なポイントを以下に述べたいと思います。

採用方法の基軸となる、ありたい姿としての求める人材像づくりを行う

自社の求める人材像は具体的で明確か

求める人材像については、よく聞かれる「主体性のある人」というワードがありますが、もっと踏み込んで、10年後に事業会社の社長になれる人、3年でマネジメントができる人と謳ったほうが、よりキャリアビジョンが明確になります。
我が社にとって、本当に欲しい人材はどういった人物かということを具体的に考え、それを学生に明示し、その人材像に相応しい学生との間にツーウェイの濃密な関係を築き上げていくことが重要になってきています。

人材の基軸としての人材マトリクスで、期待する人材像を明確にする

人材スペックを図式化し、人材マトリクスを作成することは、求める人材像をより明確にする手立てのひとつです。
人材マトリクスは、企業・組織において求める人材の要件、すなわち必要なスキルや能力を言語化して形式知化したものです。
会社として競争優位を持続するための人材戦略を策定する際に、どのようなスペックを有する人材を、どのような雇用形態で、どのくらい確保していなければならないかということを見極めることは極めて重要になってきています。

下図は人材マトリクスのフレーム例です。「マネジメント軸」は課題達成と組織運営、「内容軸」は[1]スキル(知識・技能)[2]能力 [3]行動・思考特性 [4]志向性としています。

内容・マネジメントの図表

企業側と学生側の相互理解のもとで採用活動の「オープンイノベーション」を進展させる

顧客満足度を向上させ、他社との競争に勝つということは、採用活動もマーケティ
ング活動と同様です。つまり、他企業と同じ仕組みや方法をとっても優秀な人材を獲得、
採用することはできません。これまでの採用活動における既存の概念や考え方を一旦リ
セットする必要があるのです。まさに採用活動のイノベーションです。 

採用活動のイノベーション例として、ジェローム・マッカーシーのマーケティング・ミックス4P(下図)の考え方を基にした事例を挙げてみます。

「Product」は採用活動においては、差し詰め他社と差別化できるサービスの革新が該当します。これについては、一般的な面接や、エントリーシートの使用を取りやめる「脱常識」のイノベーションも起こり始めています。

「Place」は、訴求できる採用チャネルの革新が該当します。「キャプテン採用」「プロ技術者採用」など、応募者のキャリアビジョンに基づく選考コース、スタイルを示し、更にコースごとに選択してもらうカフェテリア方式が考えられます。

「Price」は応募者のキャリアビジョンやコースに対応した年収体系の設定などが該当します。

「Promotion」は、企業と学生とのツーウェイコミュニケーションとして、会社のことを理解した学生とのリアルなミーティング実施や学生のことを理解するためのワークショップやポジティブ形式の面談を実施するなどの方法が該当します。

企業としては“採用受難”の状況を、本来自社が必要とする人材はどのような人物なのか、ということを企業経営の根本に戻って考え、そこから採用戦略を再構築する機会と捉え直してみる必要があるのではないでしょうか。

マーケティング・ミックス4Pの視点を活かした採用活動のイノベーションのフレーム

マーケティング・ミックス4Pの視点を活かした採用活動のイノベーションのフレーム

出典:E.Jマッカーシー著/粟屋義純監訳『ベーシック・マーケティング』(1978年)東京教学社 をベースに著者編集


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