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~全ての社員が“研究”する組織へ~ ポストモダン時代に組織が抱える課題とアプローチ

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

ポストモダンとは

近代~現代において国家や企業は、全員が同じ価値観を共有し、同じ行動をとることを前提にした時代が長く続きました。そのような「全体」が統制された時代をモダンの時代と定義したとき、そのモダンの時代が終わった現代を「ポストモダン」と呼びます。

ポストモダンには、一人一人が異なる価値観を持った「個人」を中心に位置づけた考え方が背景にあります。ポストモダンの到来は政治や社会、科学、そして企業に大きな影響を与え、多くの企業は今なおその影響に揺らいでいるとも言えます。

ポストモダンの時代には個人や部分的な活動に焦点を当てた、合理性とは異なる新しいマネジメントが求められています。
しかしそれにも関わらず、そのための効果的な理論や知識はあまりにも不足している現状があります。今回はポストモダン時代に企業が抱えている課題を解決するために必要な考え方とアプローチについて考えてみたいと思います。

道具をよく知り、正しく使う

個々を対象にマネジメントをするには、個々を把握する必要があります。
そのために不可欠なのが個の見える化ですが、ポストモダンの時代におけるマネジメントがうまくいかない理由の1つに、見える化に使える道具が正しく使われていないことがあげられます。
例えば、統計手法は部分と全体を繋ぐツールとして大変有効ですが、それが正しく理解され、使われている企業は多く見受けられません。統計に明るくない人ほど「統計を使っても当たらない」「当たらなければ誰が責任をとるのか?」と拒否反応を起こしがちです。
統計は違いを明確にしたり、個々と全体の関係を明らかにすることを目的に使えば、個々の複雑な状況を見える化するのに役立ちます。
しかし、統計に限らず間違った目的や使い方を覚えたままの状態が続くことは深刻な問題です。

例として、箸しか使ったことがない人がナイフとフォークを使って、和食を食べたとしましょう。当然上手く使えませんが、大事なのはその後に、本人がナイフとフォークの使い方を研究し、正しく使うアクションがとれるか、ということです。
ともすると、モダン時代の合理性を求める思考が強く働き「ナイフとフォークは効率的ではない。使えない。」となってしまいます。
道具には目的に応じた使い方があり、限界もあります。さまざまなメニューが求められるようになった現在において、道具を研究しマネジメントのために使いこなすことが必要になっています。
最近は、データマイニングやテキストマイニング、統計手法、脳科学などビジネスへの活用が期待される様々な学問や技術が発展しています。
これらを正しく使いビジネスに取り込んで、課題を見える化する幅を広げることが必要です。

全体ではなく個を見る

マーケティングの世界では、ターゲットを設定するために年齢、年収などを軸に顧客層を分割するセグメンテーションを行うのがセオリーです。
しかし、近年はWebを用いて個人の購入履歴等から個別に対応したプロモーションを展開するOne to Oneマーケティングも登場しました。
これはWebという道具を上手く使いこなしてポストモダンに適応した好例といえるでしょう。ただ、Webも一つの道具であり、もちろん限界があります。

ここで必要なのが「全体ではなく個を見る」ということです。
例えば、年収3,000万円以上の社長は、毎日高級なステーキを食べるか?というとそうではありません。1杯500円のラーメンを食べる時もあれば、一皿5,000円のステーキを食べることもあるでしょう。
この例で言うと個を見るということは、”個の欲求”を見るということです。つまり、全体を分割していって共通するニーズを発見するという思考から、個の欲求からニーズを発見し、共通化してクラスター(集団)を形成していく思考に転換していくという事です。
今の時代は個を見ることから適切な道具をつくり、また道具を選んで使うことが求められています。これはマーケティングに限らず、他のマネジメントにも言えることです。

新しいパラダイムで動く“しくみ”をつくる

企業が組織として活動する以上、個々の動きや流れを設計したルールやしくみづくりも欠かせません。
経営活動のしくみには、管理会計のシステムやツール等がありますが、今のところポストモダンのマネジメントを本質的に実現する所まで至っていないのが現状です。
これは企業・組織の変化の遅れと、しくみの進化の遅れの双方に原因があると考えられます。

今、私が注目するしくみは、「コンセプト・エンジニアリング」です。コンセプト・エンジニアリングは製造業を中心に行われる原価企画(開発設計段階から原価を見積り、原価をつくりこむ組織的活動)から生まれたしくみで、ポストモダンの流れに要求されて生まれたとも言うべきものです。
モダン時代における原価のマネジメントは製造段階で原価を維持・低減するための原価管理が主流でしたが、多様な価値観の顧客に応じるためには、企画段階から原価を作りこみ、顧客にとって妥当な価格を形成することが求められます。
コンセプト・エンジニアリングは企画段階で、製品の機能・仕様(スペック)、コスト、販売量、価格のそれぞれの情報をリンクさせ、コンセプト・メイキングと採算性評価を同時に行うことで、企画段階から確実な利益をつくり込むことを狙う活動のしくみです。
これは試行錯誤的に行われる企画活動を定量的に把握し、モニタリングできる環境をつくることで、個(顧客)を向いた企画活動を組織的に実現することを目指しています。

しかし、このコンセプト・エンジニアリングを初めとして、多くの新しいしくみはまだ完全に確立しているとは言えません。
このようなしくみを実現していくために今出来ることとは一体何でしょうか?

従来の企画の流れ(市場主導)/コンセプト・エンジニアリングの企画概念

わかったことを使う~全員が“研究者”の時代~

ポストモダンの経営を確立しようと模索している今の企業の状況において、求められ、今私たちが出来ることは、一般社員から社長までが「目の前にあることを研究する」ことです。
ここで言う研究の対象は、大発見や大規模なシステムと言うよりも、日々の活動の中にある仕事や問題です。
それらを新しい観点で実現・解決するための新しい方法を探し、仕事の中に取り込み、日常的な活動を変える研究を続けるということです。その活動のプロセスをシンプルに言うと「新しくやったこと」「わかったこと」「次にやること」を明確にして繰り返すことです。
不確実な状況に不確実なことは使えません。しかし、やってわかったことは使えます。そうして日常の研究サイクルを回すことの積み重ねが、未知なる課題を解決するための知識を蓄積し、やがて方法・理論・しくみを誕生させる事につながります。

これらを実行することは時間やコストがかかり、多くは合理的でないように見えます。
しかし、そのように感じるのもモダン時代の思考が支配しているのかもしれません。
全ての個人・企業がいつか乗り越えないといけない壁をいつ乗り越えるのか、それが問われているのではないでしょうか。


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