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組織は開発する?開発される? ~周囲へ伝播するマナビー(Mana-Bee)の存在

SANNO Executive Magazine コラム【経営の視点】

組織開発が注目されているが…

私たちを取り巻くビジネス環境の変化は、スピードが増し、多様化してきています。
この環境変化に対応するためには、生産性を向上させる、新しいアイデアを創出する、などといった取り組みが求められます。
そのためには、企業で働く“人”と“人”との関係性を強化し、相乗効果を生み出すことが必要ですが、なかなかうまくいかない現状もあるようです。

このような中、昨今“組織開発”が注目を集めています。Warrick(2005)は、「組織開発とは、組織の健全性、効果性、自己革新能力を高めるために、組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的なプロセス」〔※〕と定義しています。簡単に言えば、人の関係性に着目し、イキイキとした組織にし、相乗効果を生み出すための取り組みと捉えることができるでしょう。

この組織開発の手法として現在、対話型のアプローチが注目されており、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)、OST(オープン・スペース・テクノロジー)、フューチャー・サーチ、ワールド・カフェ、といった手法が用いられています。

ただ悩ましいのは、多様な手法が存在していて、どれを選択すればよいのかというところです。
また対話型アプローチは、参加するメンバーによって対話の質の良し悪しが生じてしまっている現状もあるようです。

人が集まっただけでは良質な対話が生まれるわけでもなく、「様々な手法を活用してみたもののうまく行かない」といった声も伺います。

Warrick, D.D.(2005).Organization development from the view of the experts: Summary results. In W. J. Rothwell & R. Sullivan(Eds.)Practicing organization development: A guide for consultants. 2nd ed. San Francisco, CA: Pfeiffer, pp.164-187

面(場)ではなく点(人)に着目してみる

私が実際の対話の場面を観察していると、「この人と話すと新しいアイデアが湧いてくる」「この人の話を聞くと、自分もがんばらなければいけないと思う」といった気づきを周囲に与えるような人が存在している場では、確実に対話の質が向上していることに気づかされます。

対話の場に限らず、確かに自分の経験でも、周囲の成長意欲を促進するような方が身近に何人もいました。このような周囲の成長意欲を促進するような人の存在の有無が、場に良い影響を与えているように思います。

私はこの周囲の成長意欲を促進する人材のことを“マナビー(Mana-Bee)”と呼んでいます。マナビーとは「学び」と「ミツバチ(Bee)」を組み合わせた造語です。ミツバチのように人の成長(開花)を支援する仲介者的な存在という意味でこのように表現をしています。

マナビー(Mana-Bee)が存在し、周囲と関わることで、周りも成長意欲が促進され、様々な活動が生まれてくる。その活動が拡大することで、新たなアイデアが生まれ、生産性も向上し、あたかも組織が開発されているように見えると捉えることもできそうです。

“マナビー(Mana-Bee)”の生態

それでは、マナビー(Mana-Bee)とはどのような人材なのでしょうか。
複数の方にお話を伺っているといくつかの共通項が見えてきました。ここでは、マナビー(Mana-Bee)の生態を整理してみましょう。

1.義憤とユーモア

組織に対する様々な憤りを感じながらも愚痴ではなく、ユーモアを持って捉えることができています。問題意識を周囲に投げかけているのですが、その話を聞いた周囲の人間は、ネガティブなイメージを持たず、むしろポジティブに物事を捉えるようになっています。

2.高い対人関係能力

特に「人の意見・考えを聴ける&訊ける」能力を有しています。真摯に人の意見に耳を傾け、素朴な疑問を周囲に投げかけることができます。
自分より若い方でも年配の方でも、分け隔てなく、関わることができています。

3.周囲から高い評価を獲得

組織内では一目置かれる存在であることが多いです。所属する組織内では一定の成果を継続的に出し続け、周囲から高い評価を得ています。

4.組織外へ活動の範囲を拡大

活動の範囲は、組織外に拡大しています。様々な外部の勉強会に参加し、自身のネットワークを外部に拡げています。
また、興味深いのは、彼ら・彼女らは、組織貢献を目的とした活動として外部へ活動の範囲を拡げているのではなく、自己成長を目的として範囲を拡げていることです。

アプローチの方向性

このような人材は、自発的に組織内でもアンダーグラウンドな活動をしているケースも散見されます。残念なのは、アンダーグラウンドな活動から