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不条理な時代、魅力的な管理者に光を! ~社会動向から世の中を見る

SANNOエグゼクティブマガジン


1 魅力的な管理者とは

年間200日以上、企業等に出向き多くの経営者や管理者とお会いします。最近、関心のあることは、「魅力的な管理者とは何か」ということです。管理者になる人材ですから、その分野のプロフェッショナルであり、人格等もバランスが取れている人が多いのですが、「自分(自社、自部門の事業を含む)の可能性と限界を自覚しているか」という点で物足りなさを感じます。管理者には「脚下照顧(=後述)」の姿勢が必要です。

2 自覚とは

なぜ「自分を自覚している」管理者に魅力を感じるのか。今のビジネスは日々刻々と変化しています。その中での対応はますます難しくなっています。従来の方式で圧倒的な利益を確保できたとしても、競合との競争や市場の変化に迅速に対応できなければ、 長続きはできません。不条理(合理性では説明できない事象)な面も数多くあります。変化に対応している企業はPlan(計画)-Do(実行)-See(評価)を愚直に回しています。しかし、多くはPDSが言葉だけで、Seeの段階が曖昧となる傾向があります。管理者が当初作成したPlanが正しいか否か、厳しく検証する姿勢が弱いためだと思います。Seeを厳しく行う管理者に共通する背景には、「自分は絶対的に正しいとは限らないので、厳しく検証しよう」とする姿勢が滲み出ています。一方、どこかで「自分は社長だ、本部長だ、部長だ」と地位を拠り所としている人は自らそうした姿勢を取ることが弱い(或いはない)傾向があります。失敗は他人の責任と捉えるためです。

では、「自分を自覚」するためには何が必要か。「自分を自覚している」管理者には2つの要素が見えます。ひとつは「仕事をしている自分をもう一人の自分が超越的に見ている姿勢があるか」(メタ認知の姿勢)、もうひとつは「仕事三昧(ザンマイ)の境地を経験し重視しているかどうか」(意識と行動の一体化)という点です。

3 メタ認知の姿勢とは

「メタ認知の姿勢」の「メタ」とは「形から離れた、超越的な」という意味です。「日常の自分の置かれた状況から離れて、もう一人の自分が自分を見ている」状態です。魅力ある管理者は、数多くの読書をし、他者からの批評も進んで受け、自分の考え方を検証しています。だからこそ、多くのマネジメントスクールでは「事実を収集し、これを論理的に分析し、合理的基準で判断する訓練」をするのです。その前提には管理者自身(主体)とビジネスの諸現象(客体)を二元的に対立させ、ビジネスの諸現象を一旦自己の外に置き(俯瞰し)、これを「冷静に分析」しながら因果のメカニズムを解明する姿勢を高めます。昨今ではビッグデータなどの活用が進み、様々な現象が説明されています。

4 決断すること

但し、これだけでは物足りなさを感じます。特に「決断」の場面においては単にメリット、デメリットなどを比較して合理的に「判断」することを越えて経験的・直感的に意思決定するレベルも必要です。「決断」には自らの責任を自覚して「冷静な分析」をし、「情熱的な想い」を加え、身を捨てるような覚悟が必要です。その結果について完全さは保証されません。エラーがあります。その限界を実感しながらも「こうしたい」と言える管理者は魅力的です。しかし、例えば課題を打ち出す決断の場面で、課題が上位方針の模写(コピ-)であったり、抽象的な言葉でデフォルメされたものが圧倒的に多いのです。分析の範囲が狭く浅いことと、自らの責任を自覚していないことが原因です。私の担当する研修では、こうした魂のない課題抽出を徹底的に排除します。では、「冷静な分析」と「情熱的な決断」が一体であるた
めには何が必要なのでしょうか。

5 現場への愛

それは一言で言うと「現場への愛」です。現場とは顧客をはじめとする利害関係者との接点の場です。愛とはわが身を他人のために捨てることです。利害関係者の立場を考えて行動するから決断ができるのです。これを鍛える場として最近注目を浴びているのが、公開セミナーなどでの「他流試合」の場です。業種業界、企業の違いから己のビジネスのスタイルの違いに気づき、己の事業に誇りを持つことができます。自分の仕事の本質を理解し、現場を大切にしようとする姿勢が高まります。旅をして、異質な世界から刺激を受けて、祖国や家族の尊さに気づくことと同じです。「旅は真の知識の大きな泉である。」(19世紀の英国首相 ディズレーリ)。昨今、「公開セミナー」は知識付与型から他流試合型に変化しています。例えば私が担当している「部長実践研修」「課長実践研修」では、ある課題に対し積極的に考え方の違いを発表しあう場を設け、己の仕事への愛を確認しています。

6 仕事三昧

次は、魅力的な管理者のもうひとつの要素である「仕事三昧(ザンマイ)の境地を経験し重視しているかどうか」(意識と行動の一体化)という点に触れます。「三昧」とは仏教の言葉で、「心を一つの対象に集中して動揺しない状態。雑念を去り没入することによって、対象が正しく捉えられるとする」ということです。仕事に集中し、仕事の本質を経験の中で体現できている状態です。「自分で発言し、判断したことを現場で無我夢中で実践している」かどうかということです。

7 誠実さと無我夢中さ

「仕事三昧」の管理者には2つの傾向があります。ひとつは「大いなる責任と権限に基づいて忠実に義務を履行する」タイプ、もうひとつは「自己の信念の元に無我となって真理を希求する」タイプです。前者は「約束したことは必ず実行する」誠実な管理者です。論理的で冷静で経営全体へのビジョンを自覚しています。どこかに統一された真理を信じ、そこに向かって努力をしていく姿勢があります。先端技術領域、行政、専門分野等で見られます。一方で後者は「口先よりも行動で示す。子供が遊ぶように、仕事に無我夢中で取り組む喜びを享受している」タイプです。前者と逆で自らの仕事の哲学を深めていく姿勢があります。プレイング志向が強いのですが、周囲のメンバーはその仕事姿勢に感化されます。製造、流通、サービスあらゆる現場で出会うことができる管理者です。

普遍的真理を自己の外に置き希求する前者、自己の内面に向かって希求し続ける後者、どちらの仕事三昧も魅力的です。しかし、こうした姿勢の管理者が少なくなっています。美辞麗句を巧みに繰り出すが行動が伴わず、地位や権力を影に日向に振りかざす「偽りの管理者」が増え、不条理な状況を生み出し、能力ある部下が現場で疲弊し、去っていく状況を数多く見ています。

8 管理者は脚下照顧であること

浮世の不条理をなくし、企業、組織を強くするために、私は魅力的な管理者に光を当てていこうと思っています。人の行動の結果が不条理を映し出すからこそ、人に焦点を当てて改善するのです。その為に、私自身も脚下照顧(きゃっかしょうこ)(「脚下」とは足元、転じて本来の自分自身、「照顧」はよく反省すること)の姿勢で、現場の中で「仕事三昧」を体現しつつ、「冷静な分析と熱い決断」の姿勢を一身に背負って行動する管理者を見つけ、伸ばす支援を行いたいと思います。



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