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ストーリーラインとしての経営・組織・人材戦略のデザイン ~縦軸のフローと横軸のムーブメント~最近の傾向・ご支援から見えること

SANNOエグゼクティブマガジン


日本の外、世界に目を転じると、常識を超え、より加速する変化が、ある時は勃発的に、そして、同時多発的にワンワールドなレベルで起こっています。P.F.ドラッカー博士は、「変化」に関して著書「チェンジリーダーの条件(ダイヤモンド社),2000年」で次のように論述しています。「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことである。今日のような乱気流の時代にあっては、変化が常態である」。

私たちにとって、それぞれが属する企業や事業体が持続的に成長し、発展し続けるためには、市場や組織の“フロンティア(最前線)”に立って、外部環境におけるさまざまな変化を発見・発掘し、変化に先駆けた行動をとっていくことが喫緊の課題といえます。

「経営・組織・人材戦略」のフローは、ストーリーで語るもの

これらのことに真摯に取り組むために、経営・組織・人材の多面的な領域の戦略を、縦軸の「Ⅰ.フロー(繋ぎ:連関)」と横軸の「Ⅱ.ムーブメント(動き:動態)」でストーリー化したものが、下図の「ダイナミックな“ストーリーライン”としての経営・組織・人材戦略」です。ストーリーラインは9つの機能(要素)で成り立っており、「制度や仕組みで縛るのではなく、ストーリーを語れ」という想いが組み込まれています。

ダイナミックな ストーリーライン 経営・組織・人材戦略

    ストーリーラインの起点は、企業に所属する社員全員の価値概念としての「①企業理念・経営理念」です。企業や事業体は、経営活動上の最高の指標たるこれらの理念に基づいて事業活動を駆動していくことが大前提です。

    次に、企業理念・経営理念を実現するために中長期的に実現したい、こうありたいという夢や希望、方向性である「②中期ビジョン」を構想します。

    そして中期ビジョンを時間軸で展開したものが、「③中期事業計画」および「④年度計画」です。つまり、中期ビジョンは、企業理念・経営理念と中期事業計画・年度計画を繋ぎ、連関させる重要な機能を担っているといえます。

    一方、「⑤組織編制」および「⑥人材配置」は、年度計画を遂行するために、経営層と管理層が時空をデザインする機能です。経営トップが考える“組織や管理層に期待すること”と、管理層が“実際に行動しようとしていることやできること”を共有化し、統合させた上で、どこの誰にどのような立場や地位、役割を割り当てるのか、またそのために必要な教育はどのようなものなのかを明らかにします。

    そして、「⑦目標マネジメント」は、“経営体制の循環”をより円滑に行うために必要な、いわば潤滑油です。上位層と合意した内容に基づき、管理層が会社目標を職場目標や個人目標にブレークダウンし、それを実行、達成、評価、検証する“PDCAサイクル”として周回、動態させます。

    PDCAサイクルを遂行する上で獲得できた組織、個人単位の成果事実の検証、評価決定を行うのが「⑧成果検証・評価」です。経営層であれば、ウエイトの大小はあれ、全社ベースの年度計画の達成がその対象になります。また、管理層は職場目標、一般層は個人目標の活動事実がその対象となります。

    さらに、成果評価の結果をもとに成果を配分し、貢献度合いに応じた処遇を行うのが「⑨成果配分・処遇」です。

    経営層、管理層の旗振りが不可欠

    以上が「経営・組織・人材戦略」のストーリーラインの縦軸のフロー形成ですが、それらを動態的に運用していくことができなければ、ただの箱ものでしかありません。これらのストーリーラインの各機能が、経営層、管理層にとどまらず一般層までの多層にわたり、力を与える“エンジン(動力源)”となる必要があります。そして、メンバーそれぞれが、各要素を体内化させて、職務活動に植えつけることができてはじめて、これらの理念が床の間にある掛け軸の“動かぬ虎”ではなく、動態画としての“動き回る虎”として自ら機能するようになるのです。

    動態的な運用を担保するための打ち手

    ①経営層自らが伝道師となる

    では、理念群をメンバーに体内化するにはどのようにすればいいのでしょうか?経営層は、理念や哲学を社員に強要するのではなく、そこに集うメンバーと緊密にコミュニケートすることで、彼らの腑に落とさせなければなりません。私は、自身の経営幹部としての経験から、経営層の高い志(信念)に根ざした理念は、企業、職場、そして個人の基軸になると確信しています。さらに、それぞれの部門、責任単位の中期ビジョンを声明、発露することを促進させ、そこに集う メンバーを内発的に動機づけます。

    不透明で不安である逆境の今こそ、経営層が高潔な目的としての理念を、メンバー に大きな羅針盤として明快に示してほしいも のです。なぜならば、メンバーの心を大きく揺り動かす理念は、得てして、経営層が心 揺れ動く「逆境」の時にこそ創造できると推 察するからです。

    「社員をサーフィンに行かせよう」という独自性、多様性のある理念を標榜しているパタゴニア社では、創業者をはじめ経営幹部が大変ユニークな活動をしています。自社が「持続不可能」な成長に頼っていないか自己点検するため、アルゼンチンにあるパタゴニアの山岳地を訪ね、“ 歩き回り (MBWA:Management By Wondering Around)”をしているのです。「なぜビジネスに携わっているのか」「どんな会社にしたかったのか」を社員と協働して自問自答し、内省しているのです。理念にある経営目的、存在価値により磨きをかけるためにも、成長プロセスの節目ごとに、その高潔さを保持できるのか、社内外に問うていくべきではないでしょうか。

    ②人材開発や組織開発に役立つ評価要素に展開する

    私のクライアントのある企業では、理念や中期ビジョンの内容を“価値ある職務活動のガイドライン”として位置づけ、評価要素へと導出しています。具体的には、期待行動を示すキーワードをマトリックス表に基づいて探索し、それを人事評価の重要な要素として抽出、形成しています。

    このように、経営層の意思や期待としての理念や中期ビジョンを形式知化することは、人材開発や組織開発に役立ち、社員のより高度な行動の実現を促します。そのため、 企業や組織、人材における理念の浸透という「動態性」を担保する重要施策のひとつと考えています。

    グローバル志向、仕様のリーダーになる3つのキーコンピテンシー

    制度構築の支援をさせていただいたクライアントの要請により、数年前から、海外拠点であるインドネシア、ベトナム、タイ、中国に出向している経営者、管理者、そして現地のカントリーマネジャーのマネジメント研修を実施してきました。その際、とりわけベトナム、ハノイの躍進振りを目の当たりにして、大変インパクトを受けました。彼らの先進国に見習う国家戦略の明快性、国民の勤勉性からするとこの成長も理解できますが、とかくそのスピードは、日本が歩んできた「日進月歩」の時間軸とは格段に違う「秒進分歩」であることに感じ入りました。

    これからは、経営トップから現場第一線にいたるすべての人材をグローバル志向、仕様に育んでいくことが不可欠となります。そのためには、トップや管理者層が国内や、企業内部にとどまることなく、「百聞は一見に如かず」のとおり、国外に足を運び、日本という国や企業が抱える難題の解決糸口を見つけていかなければなりません。

    また、難題解決のために諸々のプランニングをし、ビジョン構想、課題形成、目標設定に展開する役を担うリーダーは、戦略の実行にかかわる多国籍の人々を鼓舞させる“パラクライン(作用)力”がなくてはなりません。そのためには、「リーダーシップ」「コミュニケーション」「ルーティン」それぞれの“力量”を獲得して、先例なき未踏の領域へ積極果敢に挑んでいくことが期待されます。


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