2019年度 新入社員の会社生活調査(第30回)

2019年度の新入社員を対象に、働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施しました。

調査概要

2019年度に社会人となった新入社員を対象に「新入社員の会社生活調査」を実施しました。
本学では同調査を1990年度から実施しており、今年度で30回目となります。

  • 調査期間:2019年3月28日~4月10日
  • 対  象:産能マネジメントスクールの新入社員セミナー受講者
  • 調査方法:書面アンケート
  • 有効回答:429人(男性281人、女性148人)

注目データ

業務時間外での勉強は“会社から援助があれば勉強したい”⇒ 約71%

業務時間外でセミナーや通信研修、学校、自習などの勉強をしたいかを尋ねました。

その結果、「会社が費用を全額負担してくれるなら勉強したい」が38.6%、次いで「会社から費用の一部援助があれば勉強したい」が32.7%となり、会社からの費用負担があれば勉強したいとする新入社員は、合わせて71.3%となりました。(下図)

副業制度があれば“利用したい” ⇒ 約64%
“利用したい”新入社員の約73% ⇒ “公的年金を期待していない”

働き方改革の柱の一つとして、副業を制度として認める施策の拡大があります。会社に副業の制度があっ た場合の利用意向を聞きました。

その結果、「利用したい」が31.5%、「どちらかといえば利用したい」の32.5%を合わせると64.0%が“利用したい”としています。昨年度に比べ7.4ポイント増加しました。(下図)

また、同様にテレワークと時差出勤について尋ねたところ、テレワークについては「利用したい」が35.2%、「どちらかといえば利用したい」が31.1%で、合わせると66.3%が“利用したい”としています。 時差出勤については「利用したい」が53.8%、「どちらかといえば利用したい」が29.6%で、合わせると83.4%が“利用したい”としています。対昨年度比では、テレワークが0.5ポイント、時差出勤が3. 5ポイントの増加となっています。

1か月に許容できる「残業時間」は“1~10時間”が過去最高

1か月間にどの程度の残業時間なら許容できるかを尋ねました。

その結果、21時間以上は軒並み減少する一方で、「1~10時間」が昨年度を大きく上回り過去最高の18.3%となりました。
一方、41時間から60時間までの回答は合計で8.0%と昨年度(12.3%)から4.3ポイント減少しています。
働き方改革が唱えられる昨今ですが、新入社員は残業を避けたいという意識が強くなっています。(下図)

「転勤せずに同じ場所で働き続けたい」⇒ 約36%

転勤について尋ねると、「一度も転勤せずに同じ場所で働き続けたい」とする回答が36.4%で、昨年度よりも9.4ポイントと大幅に増加しました。(下図)

「年金に期待しない」 ⇒ 約68%

将来支給される公的年金(国民年金・厚生年金等)を老後の収入として期待しているか尋ねたところ、「期待していない」(34.7%)と「どちらかといえば期待していない」(33.6%)を合わせた68.3%が年金に期待していないことがわかりました。昨年度(62.2%)よりも6.1ポイント増えています。

総 括

働き方改革が叫ばれる昨今、1か月間の残業時間について何時間なら許容できるかと尋ねたところ、“1~10時間”とする回答が昨年よりも増えて過去最高となりました。

時間に余裕ができると、仕事以外の時間の使い方が重要になります。
そこで今年度の新入社員に、業務時間外に勉強したいかを初めて尋ねました。
“勉強したい”とする新入社員は全体で約85%となり、学習意欲が高いことがわかりました。
自分磨きの意識は高いようです。
学習のための費用負担については、「全額自己負担でも勉強したい」とするのは13.6%で、残りの約71%は会社からの援助を求めています。

また、働き方改革の一環として関心が高まっている「副業」について、会社に副業が可能な制度があった場合に利用したい かを尋ねました。
その結果、64.0%が“利用したい”(「利用したい」+「どちらかといえば利用したい」)と回答し、昨年度から7.4ポイ ント増加しました。
昨年は“副業元年”とも言われ、従業員の副業を認める動きが広がる可能性が指摘されています。
新入社員も副業に期待している様子がうかがえます。
同様に利用したいかを尋ねた「テレワーク」と「時差出勤」は、それぞれ約60%、約83%と望む声が多く、いずれも昨年度よりも高くなっています。ここでも働き方に対する多様なニーズが見てとれます。

転勤についての質問では、「一度も転勤せずに同じ場所で働き続けたい」が昨年度から約10ポイント増の36.4%と過去最高なりました。
一方、「転居の有無、期間に関係なく転勤してもよい」は、昨年度から2ポイント減の21.6%と過去最低なりました。