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期待される能力と役割〜ミドルマネジャーの現状part2
※この記事は、2008年12月に掲載したものです。
〜 課長層の「部下育成力」不足は必然〜

ミドルマネジャーがおかれている環境は複雑化し、マネジメントの難易度は高まっています。その中で、企業はミドルマネジャーにどのような能力や役割を期待しているのでしょうか。

産業能率大学が企業の人事教育部門に対して行った調査の中で、部長層・課長層それぞれに求める能力を尋ねました。下図はその結果のうち、上位5位を抜粋したものですが、ここから部長層と課長層への期待役割の差異を見て取れます。部長層には「戦略的思考力」「構想力」「組織変革力」といった能力を特に求めており、戦略的に構想を描いて組織を変革してほしいと望んでいることがうかがえます。
一方課長層には、「部下育成力」「問題解決力」を特に求めていることから、まずは自職場の内固めを行うことを期待しているようです。

同様に、不足していると思われる能力についても尋ねました。
部長層は求める能力とほぼ同傾向であったのに対し、課長層では「部下育成力」が不足しているという企業が突出して多いという結果になっています。
部長層・課長層に求める能力:ミドルマネジャーの現状2
出典:「企業の人材開発に関する実態調査」
    2008.産業能率大学総合研究所 経営管理研究所
企業が課長の部下育成力不足を感じているということは、裏を返せば、部下すなわち現場の人材が育っていないという認識を意味します。現場の能力の高さを競争力の源泉としていた日本企業にとって、これは大きな問題です。なぜ課長層の育成力が不足しているのか掘り下げて考えてみたいと思います。

かつて、成果主義人事制度の導入の弊害として、個人が自身の成果を追求するあまり、後輩を育成したり、ノウハウを伝承したりする活動が減少した、と指摘されました。新卒採用が再び盛んになり、企業はOJT機能の再生を期してさまざまな取り組みを始めています。しかし、近年課長となった層は、「教え−教わる」関係の空白時代に、自らの力で成果を紡ぎ出し、バブル崩壊後の企業を支えてきた人材が多くなっています。加えて、長きに渡る採用抑制の時代に中堅クラスであったことから、新人や若手を育成する機会が少なかった可能性があります。

人を育成する力は、経験によって培われる面が大きいと言えます。育成力不足は、現在の課長層が任用前に経てきた時代による一種の必然と捉えることもできるでしょう。
(産業能率大学 横田 環)
▼シリーズ・ミドルマネジャーの現状▼
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